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» 2020年10月20日 22時00分 公開

「iPhone 12」「12 Pro」を使って見えた、買い換えへの決断ポイントと新しい「Pro」の定義 (1/4)

Appleが2020年に投入する「iPhone 12」の中で、スタンダードモデルとなるiPhone 12とiPhone 12 Proを徹底比較。そこから見えてくることについて、林信行氏がまとめた。

[林信行,ITmedia]

 2020年のiPhoneは、あなたに決断を迫る。

 まずは、欲しいのが先進的なプロ用か否か。次に欲しいのは、どのサイズかだ。

 今回、最初の問いに答えるべく2020年iPhoneの基本形、iPhone 12と12 Proを数日間試すことができた(11月発売のサイズが異なるiPhoneは未入手)。試用期間での発見をまとめたので、購入決断への一助にしてもらえればと思う。

 ネットでの話題は、世界最小5G対応機のiPhone 12 miniと、大きい本体サイズに最大スペックを盛り込んだ12 Pro Maxに関するものが多いが、今回試した中間サイズの2モデルは2020年型iPhoneの基本形であり、価格、スペック、大きさ、全ての点においてバランスが良い。

iPhone 12 10月23日に発売されるiPhone 12とiPhone 12 Pro。いずれも2020年発売モデルのスタンダードとなる製品だ

iPhone 12世代を隔てる10の特徴

 iPhone 12と12 Proの比較に入る前に、まずは2020年のiPhoneの基本をおさらいしよう。iPhoneは、毎年わずか1年の間に大きな進化をするが、今年の飛躍は格段に大きい。

 それらを列挙すると、平らな面に立てることができるフラットエッジデザイン、非常に割れにくいセラミックシールド加工、充電方法とアクセサリービジネスに一石を投じるMagSafe、次世代通信規格の5G、圧倒的性能を誇るプロセッサのA14 Bionic、iPhone史上で最も明るい標準(広角)レンズ、超広角レンズやインカメラ(TrueDepth)カメラでのナイトモードやディープフュージョン対応、写真が自動で驚く品質に仕上がるコンピュテーショナルフォトグラフィ、広いダイナミックレンジを美しく描く4K Dolby Vision HDR画質での映像撮影、その映像を損なわず表示する有機ELのSuper Retina XDRディスプレイと枚挙にいとまがないほどだ。

 上に挙げた10の特徴のうち、最後のSuper Retina XDRディスプレイだけ2019年発売の上位モデル「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」も備えていたが、iPhone 12世代からは、全4モデルでこのディスプレイが標準装備になったので、これだけで昨年登場のiPhone 11所有者をうらやましがらせるポイントの1つとなっている。

 残る9つの特徴は、全て11 Pro/Pro Maxユーザーをもうらやましがらせる新しい特徴だ。

iPhone 12 さまざまな面で新要素が盛りだくさんのiPhone 12シリーズ

 環境に配慮するAppleは、iPhoneを頻繁に買い換えないでも3年以上は現役機種として発売を続け、5年間は最新OSを利用できる状態を維持してはいるが、ここまで魅力が大きいと、思わず買い替えたくなる。使わなくなったiPhoneは、Appleの回収プログラムに出すことで無駄にならずに次のiPhoneへとリサイクル利用され、その際の炭素排出も最低限に抑えられるし……。

 そこで、まずは上に挙げた特徴のそれぞれを深掘りしたい。いずれもiPhone 12、12 Pro共通の特徴だ。

頑丈で、机に立たせられるフラットエッジ加工

 まず注目は、上下/左右の側面が平らなフラットエッジと呼ばれる新しい形状だ。側面が平らになったことでiPhone 11より厚く見えるが、平らな面に置いて指で確かめると実は12の方が約0.9mm薄いのだからなんとも不思議だ。ちなみに、本体サイズも見た目はほとんど変わらないが、淵のギリギリのところまでを画面にすることで画面サイズも6.1インチで2532×1170ピクセル(11 Proは5.8インチで2436×1125ピクセル)とわずかだが大型化している。

iPhone 12 iPhone 12ではこのように自立できるようになり、セルフィーなどでも重宝するだろう

 側面が平らになったことにより、机の上などの平面にiPhone本体を立てて置くことができるようになった。これはセルフタイマー撮影などにも都合が良い。

 側面に使われる金属は、iPhone 12が航空宇宙産業に使われるグレードの強度の高いアルミ、12 Proが医療用メスなどに使われる品質の耐食性の高いステンレススチールだ。

 航空宇宙産業レベルとはいえ、素材として凹みや傷がつきやすいことに配慮してか、12の側面はつやなしのマット加工で、側面とのコントラスト感を出すように背面のガラスはつややかなグラス加工になっている。鮮やかながら少しトーンを抑えた5色のバリエーションが用意されている。

iPhone 12 全5色で展開されるiPhone 12のカラーラインアップ。iPhone 12 Proはより落ち着いた4色(シルバー、グラファイト、ゴールド、パシフィックブルー)となる

 逆にステンレス素材の12 Proの側面は、高級車のようなつややかさを強調したグロス加工になっていて、側面とコントラストをもたせ、エッジを際立たせる立体感を出すように背面のガラスはつやけしのマット加工になっている。

 色は落ち着いた色調ながらも艶やかさを感じさせる(特にゴールドと新色のパシフィックブルーのモデルは、エッジの艶やかさが強く出るように特殊な加工をしているようだ)。

 古いiPhoneを知る人は、フラットエッジの形を見てiPhone 4/4Sデザインの復興という人もいるが、実は両者は微妙に違う。4/4Sは頑丈なステンレススチールのフレームピッタリに作られた内部構造に、液晶と背面ガラスでフタをしたような構造だ。表裏ともガラスが1mmほど飛び出ていたが、12と12 Proはガラスごとほぼフレームの中に収まっている(フレームのエッジはガラス面とほぼ並ぶ高さ)。これにより、4や4Sの時代、バンパーの名前で別売りだった衝撃吸収フレームの役割をある程度、本体フレームでまかなえているように見える。

iPhone 12 iPhone 12 ProとiPhone 4はフラットなエッジ部分こそ似通っているが、細かな作り込みや頑丈さは大きく異なる

 iPhone 12/12 Proでは、こうした構造による頑丈さを獲得しつつ、さらにもともとスマートフォン用ガラスの中で最も頑丈だったiPhoneのガラスの耐久性を上げるために硬質ながら不透明なセラミックを、透明さを損わずにガラスに組み込むという難しいチャレンジをして、4倍も割れにくいセラミックシールドをディスプレイ側のガラスに採用。あいにく割れにくさは試せなかったが、画面を見て透明さが損なわれていないのはその通りだった。

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