無骨な外観のわりに印象的な本機だが、ボディーは金属製だ。ビジネス用途を意識しているところもあり、他のビジネス向け小型PCと同じように、ボディー自身をヒートシンク代わりに冷却する。
小型PCは、一般的に動作音が大きいイメージを持っている人も多いだろう。しかし、PB60Gの動作音は、そのような小型PCとしてイメージするよりははるかに静かで、アイドル時はほぼ無音だ。一般的な操作時も、ボディーに耳を近付けて動作音がわずかに聞き取れる程度で済む。高負荷なベンチマークテストを実行している間はそれなりにファンノイズが聞こえるものの、小型PCとして、ゲーミングPCとしてイメージするものよりは静かだ。これだけでも、PB60Gはしっかりとした設計であることが分かる。
PB60Gの外観を、写真とともに見ていこう。ボディー前面は、インタフェース部分と給気口部分を斜めに分けたデザインで、GPUとの2つのモジュールが一体化するよう設計されている。一方、インタフェース側はヘアライン風の仕上がりだ。光の反射率が異なるため、ツートーンのように見える。そして給気口部分にはスリット、その内部にメッシュを用いている。
ボディーの前面には、USB 3.1 Gen1 Type-C端子×1、USB 3.1 Gen2 Type-A端子×2、USB 3.1 Gen1 Type-A端子×2、そしてヘッドフォン出力端子、マイク入力端子と豊富だ。一般的なデスクトップPCの前面インタフェースよりも充実している。
背面には、本体モジュール側が無線LANアンテナ、USB 2.0端子×2、USB 3.1 Gen2 Type-A端子×1、HDMI端子×1、DisplayPort端子×2、1000BASE-TXの有線LAN端子、セキュリティロックスロットが並ぶ。グラフィックスモジュール側がDisplayPort端子×1、HDMI端子×1、DVI-D端子×1という構成だ。先に述べた通り、映像出力端子は合計6つある。そして前面と背面で合計8基のUSB端子を装備している。これだけの数が用意されていれば、USBハブの利用機会も少ないのではないだろうか。
縦置き時に底面となる部分は、2つのモジュールを接続する専用バスがある。このバス部分にはロック機構もある他、縦置き時に利用するスタンドを固定するためのネジ穴もある。底面にはわずかな凹凸があるため、スタンドの使用は必須だろう。
底面のロックを解除すると、2つのモジュールを分離させることが可能だ。ロック解除後に、スライドさせるだけの簡単操作で取り外せるが、確実な機構だ。カチッとかみ合うというほどではないが、横置きではモジュールの重量によって安定し、縦置き時では台座を用いるため稼働中に振動するようなことはなかった。
2つのモジュールを接続する専用バスは、一見するとPCI Expressスロットのように見える。ただし、改めて確認してみるとグラフィックスモジュール側がスロット、本体モジュール側がいわゆる拡張カード側となるインタフェースだ。これは一般的なマザーボードと拡張カードの関係の逆である。
電源についても触れておこう。PB60Gは1つのACアダプターで駆動する。グラフィックスモジュールの電力は本体側を通じて供給される形だで、配線がシンプルでよい。ACアダプターの出力は150Wでサイズもやや大きいが、ACアダプターから本体までのケーブルは実測で約1.7mと長めに設定されている。ACアダプター本体を床に置いた状態から、ディスプレイ裏に設置した本体に接続しても十分な余裕がある長さだ。
次に内部のパーツをチェックする。
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