次に、個々のパーツをOS上から確認していこう。
まずCPUはIntel Core i5-9400Tだ。第9世代Coreなのでデスクトップ向けCPUとして見ると1世代古いが、現在のところ第10世代Coreと第9世代Coreは併売されているので現行CPUとして扱ってもよいだろう。ただし、第9世代はソケットがLGA1151で、第10世代のLGA1200とは異なる。
そしてCore i5-9400Tは、第9世代Coreの中でも低消費電力向けのi5グレードだ。消費電力の目安であるTDP値は35Wで、コア数は6、スレッド数もHyper-Threading(HTT)非対応なので6のままである。第9世代Coreには、TDP 35WモデルとしてCore i7-9700TやCore i5-9600T/9500Tもあるが、いずれもHTT非対応だ。
中でもCore i5-9400Tはクロックが低めのモデルであり、定格が1.8GHz、Turbo Boost時の最大が3.4GHzという設定である。TDP 35Wという枠内でも、より消費電力が小さいモデルと思われる。低クロック動作である点で、パフォーマンスはおおむねノートPC向けCPUに似た傾向になるだろう。
メモリについては、先に触れたとおりSODIMM×1枚のシングルチャネルモードで容量8GBだ。加えて、CPUがサポートするDDR4-2666より1つクロックが低いDDR4-2400だった。この点でPB60Gは、標準構成のままでは100%のパフォーマンスを発揮できるわけではない。性能を最大限引き出そうとするならば、DDR4-2400からDDR4-2666へ、8GBや16GBといったモジュール2枚に換装する必要がある。
グラフィックス機能は、本体モジュール側がCore i5-9400Tに統合されたIntel UHD Graphics 630、グラフィックスモジュール側がNVIDIA GeForce GTX 1650だ。GeForce GTX 1650は、CUDAコアが896基で、ベースクロック1485MHz/ブースト時1665MHz、GDDR5メモリを4GB搭載している。
注目したいのはインタフェースだ。GPU-Zから確認してみると、PCI Express 3.0 x16ではなくPCI Express 3.0 x8と表示されている。つまり、通常のPCI Express 3.0 x16の半分の帯域だが、ノートPC用の外付けGPUボックスで用いられるThunderbolt 3(PCI Express 3.0 x4)接続と比べると、帯域が2倍広いことになる。
ストレージは、M.2 SSDの容量が256GBでPCI Express 3.0 x4接続のNVMe対応、HDDが容量1TBでSerial ATA 3.0接続、7200rpm、AHCI対応だ。高速のSSDをCドライブとしてシステム用に、大容量を低コストで実現できるHDDをDドライブとしてデータ用に分けて搭載するのは、今時のゲーミングPCではトレンドであり、先の内部写真の通り、2.5インチドライブは簡単にアクセスできる。必要ならば、より大容量の2.5インチHDDや、より高速の2.5インチSSDに換装可能だ。
続いて、ベンチマークテストから本機の実力を確認する。
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