新型ZenBook 13はTiger Lakeになって何が変わった? Ryzen 7 4700Uとの比較も(2/3 ページ)

» 2020年11月25日 11時00分 公開
[作倉瑞歩ITmedia]

CPUとGPU、ストレージ回りをチェック

 次にCPUとGPU、ストレージ回りのスペックをチェックしていこう。

 CPUのCore i7-1165G7は、4コア8スレッドで動作し、GPUのIris Xe Graphicsを内蔵する。第11世代Coreとしては上位に位置するモデルだ。

ZenBook 13 CPU-Zの画面
ZenBook 13 12MBのL3キャッシュを備える
ZenBook 13 GPU-Zの画面

 評価機のストレージには、Intel製のNVMe M.2 SSD「SSD 660p」(容量は512GB)が搭載されていた。QLC方式3D NANDフラッシュメモリを採用しており、シーケンシャルリードが毎秒1500MB、シーケンシャルライトが毎秒1000MBというスペックを持つ。

 CrystalDiskMarkで測定したところ、シーケンシャルリードが毎秒1805.1MBという結果だった。高速なSSDには一歩譲るが、十分な速度を確保している。

ZenBook 13 CrystalDiskinfoの画面
ZenBook 13 CrystalDiskMarkの画面

 CPUの性能を測る「CINEBENCH R20」を実行した結果は、以下の通りだ。以前掲載したリファレンスモデルの結果と合わせても、性能通りの値をたたき出していると言える。

ZenBook 13 CINEBENCH R20のテスト結果

実用十分なバッテリー駆動時間を確保

 ZenBook 13だが、バッテリーには4セルのリチウムポリマーバッテリーが採用されている。カタログスペックでの駆動時間は約14.4時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)だ。そこでPCMark 10の「PCMark 10 Battery Profile」から「Modern Office」と「Gaming」の2つについて測定した。結果は以下の通りだ。

ZenBook 13 Modern Officeのテスト結果
ZenBook 13 Gamingのテスト結果

 一般的なオフィスソフトを使ってのテストとなるModern Officeで9時間41分という結果となったが、持ち歩いて仕事に使う程度であれば十分な持続時間だろう。それより負荷のかかるGamingでも3時間程度となっているなどバッテリーの持ちは総じてよい。

Ryzen 7 4700U搭載のZenBook 14とパフォーマンスを比較

 筆者は、9月に発表された14型液晶ディスプレイを搭載した「ZenBook 14」についてもレビューしている。ZenBook 14はCPUにAMDのRyzen 7 4700U(8コア8スレッド、2.0GHz〜4.1GHz、TDP 15W)、GPUがCPU内蔵のRadeon Graphics、メモリがLPDDR4x-3733 16GBというスペックなのだが、ボディーサイズも似ているし、GPUに内蔵グラフィックスを使っているので、プラットフォームの違いはあるものの、ZenBook 13と比較してみたい。

 まずはPCMark 10だが、Digital Content CreationとProductivityではZenBook 13のスコアが上回ったものの、EssentialではZenBook 14の方が高く、トータルとしてはわずかにZenBook 14の方が上となった。いずれもわずかな差と言えるもので、総合スコアでも分かるように、Core i 7-1165G7とRyzen 7 4700Uはほぼ互角の性能と言える。

ZenBook 13 PCMark 10の結果

 続いては、3Dゲーミングでの性能を計る「3DMark」でのテストを行った。

 DirectX 12でのテストとなる「Time Spy」では、CPU Scoreが圧倒的にZenBook 14が高いものの、Graphics ScoreではZenBook 13の方に軍配が上がり、トータルのパフォーマンスではZenBook 13の方に分があった。CPU Scoreが高いのは、やはりRyzen 7 4700Uのコア数が8なのに対して、Core i 7-1165G7では4コアであることが原因だ。

 これについては「Fire Strke Extreme」や「Fire Strke」、「Sky Diver」のPhisics Score、そして「Night Raid」のCPU ScoreがZenBook 14の方が高いことにも現れている。しかしGraphics ScoreはZenBook 13のスコアが大きく上回っており、GeForce MX350〜MX450程度と言われているIris Xe グラフィックスの性能の高さを示した形だ。これも合わせてTotalでの値はZenBook 13の方がよい結果となっているなど、Tiger Lakeの高い性能を見せつけてくれた。

ZenBook 13 Time Spyのテスト結果
ZenBook 13 Fire Strke Extremeテストの結果
ZenBook 13 Fire Strkeのテスト結果
ZenBook 13 Night Raidのテスト結果
ZenBook 13 Sky Diverのテスト結果

 実際のゲームタイトルではどうなのだろうか。

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