次にCPUとGPU、ストレージ回りのスペックをチェックしていこう。
CPUのCore i7-1165G7は、4コア8スレッドで動作し、GPUのIris Xe Graphicsを内蔵する。第11世代Coreとしては上位に位置するモデルだ。
評価機のストレージには、Intel製のNVMe M.2 SSD「SSD 660p」(容量は512GB)が搭載されていた。QLC方式3D NANDフラッシュメモリを採用しており、シーケンシャルリードが毎秒1500MB、シーケンシャルライトが毎秒1000MBというスペックを持つ。
CrystalDiskMarkで測定したところ、シーケンシャルリードが毎秒1805.1MBという結果だった。高速なSSDには一歩譲るが、十分な速度を確保している。
CPUの性能を測る「CINEBENCH R20」を実行した結果は、以下の通りだ。以前掲載したリファレンスモデルの結果と合わせても、性能通りの値をたたき出していると言える。
ZenBook 13だが、バッテリーには4セルのリチウムポリマーバッテリーが採用されている。カタログスペックでの駆動時間は約14.4時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)だ。そこでPCMark 10の「PCMark 10 Battery Profile」から「Modern Office」と「Gaming」の2つについて測定した。結果は以下の通りだ。
一般的なオフィスソフトを使ってのテストとなるModern Officeで9時間41分という結果となったが、持ち歩いて仕事に使う程度であれば十分な持続時間だろう。それより負荷のかかるGamingでも3時間程度となっているなどバッテリーの持ちは総じてよい。
筆者は、9月に発表された14型液晶ディスプレイを搭載した「ZenBook 14」についてもレビューしている。ZenBook 14はCPUにAMDのRyzen 7 4700U(8コア8スレッド、2.0GHz〜4.1GHz、TDP 15W)、GPUがCPU内蔵のRadeon Graphics、メモリがLPDDR4x-3733 16GBというスペックなのだが、ボディーサイズも似ているし、GPUに内蔵グラフィックスを使っているので、プラットフォームの違いはあるものの、ZenBook 13と比較してみたい。
まずはPCMark 10だが、Digital Content CreationとProductivityではZenBook 13のスコアが上回ったものの、EssentialではZenBook 14の方が高く、トータルとしてはわずかにZenBook 14の方が上となった。いずれもわずかな差と言えるもので、総合スコアでも分かるように、Core i 7-1165G7とRyzen 7 4700Uはほぼ互角の性能と言える。
続いては、3Dゲーミングでの性能を計る「3DMark」でのテストを行った。
DirectX 12でのテストとなる「Time Spy」では、CPU Scoreが圧倒的にZenBook 14が高いものの、Graphics ScoreではZenBook 13の方に軍配が上がり、トータルのパフォーマンスではZenBook 13の方に分があった。CPU Scoreが高いのは、やはりRyzen 7 4700Uのコア数が8なのに対して、Core i 7-1165G7では4コアであることが原因だ。
これについては「Fire Strke Extreme」や「Fire Strke」、「Sky Diver」のPhisics Score、そして「Night Raid」のCPU ScoreがZenBook 14の方が高いことにも現れている。しかしGraphics ScoreはZenBook 13のスコアが大きく上回っており、GeForce MX350〜MX450程度と言われているIris Xe グラフィックスの性能の高さを示した形だ。これも合わせてTotalでの値はZenBook 13の方がよい結果となっているなど、Tiger Lakeの高い性能を見せつけてくれた。
実際のゲームタイトルではどうなのだろうか。
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