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2021年のWindows 10とPCの関係Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2020年12月02日 12時00分 公開
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 さて、そのProject Astoriaだが、5年の時を経て帰ってきたのかもしれない。ボーデン氏のレポートによれば、Microsoftは2021年秋のタイミングでAndroidアプリをWindows上で動作させるソフトウェアベースのソリューションを提供する計画だという。

 「Project Latte」の名称で呼ばれるこのプロジェクトでは、Androidアプリの開発者が一切のコード変更なしに既存アプリをWindows 10上で動作可能なMSIX形式のファイルでパッケージ化させるという。

 ボーデン氏によれば、Project Latteは「WSL(Windows Subsystem for Linux)」に近い仕組みで実装されるとのことで、サブシステム上で各種APIへのアクセスをWindowsへと中継させることで、あたかもAndroidアプリがそのままWindows上で動作しているように見える。この話を聞くだけならば、以前に計画されていたProject Astoriaそのものであり、「帰ってきたAstoria」と言っても問題ないだろう。

 これが何を狙ったものなのかは不明だが、Microsoft自身が「Surface Duo」というAndroidデバイスをリリースしている経緯もあり(なお、この1400ドルで発売されたSurface Duoは、Black Fridayセールなどを合わせて1000ドル未満で購入可能だ)、Android資産の一部をWindowsエコシステム上に取り込むことが必要だと考えた可能性がある。

 PC上でスマートデバイス向けのアプリを動かす試みは、既に他のプラットフォームでも進んでおり、直近ではmacOS Big Surが動作するM1搭載Mac上でiOSアプリのネイティブ動作が可能になっている。

 現在のところ、Mac App Storeに配布されているiOSアプリ限定だが、今後ある程度はMac対応が広がる見込みで、認証系アプリなどPCでの利用が必要にもかかわらずスマートフォン用アプリしか提供が行われていなかったり、開発者がネイティブ環境でのアプリの動作テストを行ったりする際に大いに役立つものと考えられる。

macOS Big Sur M1搭載MacのmacOS Big Sur上でネイティブ動作するiOSアプリ

2021年初頭に登場するSurfaceデバイス群

 1年を通じて、Windows 10にいくつかの重要な変化が起きるのが2021年というストーリーだが、今回はもう1つ「2021年に登場するMicrosoftのハードウェア」に触れたい。

 Surfaceシリーズの製品群だが、2020年のタイミングではアップデートされなかった「Surface Pro」と「Surface Laptop」にそれぞれ新製品が登場するという。

 韓国系のリーク情報でcozyplanesというTwitterのユーザーアカウントが次のような投稿を11月26日に行っている。

 「1950」「1960」「1961」は開発コード名で、それぞれ「Surface Laptop 4」「Surface Pro 8」「Surface Pro 8 with LTE」だと同氏は説明する。外観的な変化は現行製品と比較していないため、プロセッサなどの内部スペック向上が新製品の特徴だとされる。

 ボーデン氏が自身の情報源を基に報じたところによれば、両製品のリリース時期は2021年1月中旬で、ProモデルではIntelのIris Xeを搭載した第11世代Coreプロセッサを採用、Laptopモデルでは引き続きAMDプロセッサが採用されるという。

 なお、製品自体はサイレントローンチとなり、特に発表などは行われず、既存製品から順次移行していく形になると思われる。

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