今でこそ多数のメーカーが販売しているモバイルディスプレイだが、数年前は取り扱っているメーカーはほんの数社しかなかった。その中でGeChicの「On-Lap」シリーズは、早い時期から大画面のモデルをリリースし、多くのユーザーの支持を集めていた。
今回紹介する「On-Lap M505E」は、その最新モデルにあたる製品だ。現在は15.6型というサイズは当たり前になり、かつ安価な製品も登場しているため、かつてほどのインパクトはないが、実際に使ってみると、世代を重ねているだけのことはあると感じさせる製品に仕上がっている。国内代理店から借用した機材を用い、レビューをお届けする。
まずは基本的なスペックから見ていこう。画面サイズは15.6型、解像度は1920×1080ピクセルで、ギラつきのない非光沢仕様だ。視野角は水平/垂直ともに170度、コントラスト比は700:1、最大輝度は250カンデラと、おおむね一般的だ。パネルはIPS方式の改良型にあたるAASを採用している。
最近のモバイルディスプレイはスタンドを内蔵せず、マグネットで吸着するカバー兼用スタンドを添付する製品が多いが、本製品はヒンジ式のベースと一体化しており、無段階での角度調整が行える。過去に紹介した製品だとレノボの「ThinkVision M14」に近く、横から見るとL字状になったシルエットが特徴だ。
ベース部と一体化していることもあり、重量は実測1160gとそこそこある。一般的に15.6型のモバイルディスプレイは、カバー込みで1kg前半であることが多いが、本製品は持ち歩き時にはこれに収納バッグが加わるので、かなり重い部類に入る。もちろんそれと引き換えにメリットも多いのだが、可搬性の優先順位が高い場合はネックになるだろう。
ベゼル幅は、上および左右は約9mmと、まだスリムと形容できるレベルなのだが、下部は約46mmと、かなりの幅がある。ベース部とヒンジで接合している構造も影響しているのだろうが、さすがに幅がありすぎる印象だ。なにより背が高くなってしまうのがマイナスである。
接続方式はUSB Type-CとHDMIで、それぞれに対応したケーブルが付属する。若干いただけないのは、USB Type-A→Cケーブルが付属せず、その代わりにUSB Type-Cケーブルの片方をUSB Type-Aに変換するためのアダプターが添付されていることだ。
GeChic以外だと、同社と同じく早い時期から大画面モバイルディスプレイを扱ってきたASUSも、この仕様のアダプターを添付しているのだが、USB Type-CをUSB Type-Aに変換するコネクターはUSB Type-Cの規格外にあたり、ユーザーとしては使うべきではない。必要な場合はUSB Type-A→C変換ケーブルを買い足すことを心がけたい。
続いてインタフェースを見ていこう。
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