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「Sun Valley」に続く重大プロジェクト「One Outlook(Project Monarch)」とは何かWindowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2021年02月04日 06時00分 公開
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Project Monarchこと「One Outlook」とはどのような製品か

 One Outlookは「Project Monarch」の名称で知られる。Windows Centralのザック・ボーデン氏によれば、2021年内をターゲットに開発が進められ、主には2022年以降に多くのユーザーに対して届けられる製品になるとみられる。

 基本的に、既存のMail&CalendarアプリはOne Outlookの提供開始とともにメンテナンスモードへと移行し、Windows 10の統一的なメールクライアントとして既存製品を置き換えていく形になる。そのため、冒頭でも触れたSun ValleyによるUIの刷新はこれらのアプリにはほぼ適用されず、最終的にSun Valleyに準拠した形でOne Outlookは提供される。

 One Outlookがどのようなクライアントになるのかは不明だが、軽量動作が主体とのことでメールや検索に必要となる最低限のデータを保持するデータベースを抱えつつ、基本的にはWeb側の機能を呼び出す形式になるとみられる。もともとOutlook自身がOWAやOutlook.comの方に新機能を盛り込んできた傾向にあり、クラウドとローカルで両者のハイブリッド型アプリを目指すのではないかというのが筆者の考えだ。

 実際、One Outlookと思われるサービスのWebダッシュボードのURLが発見されており、ローカルだけでなくクラウド側にある程度機能を持たせていることが想像できる。なお、本件を紹介している記事によれば、このサイトは「aka.ms/monarch」でリダイレクトするURLでアクセスできたとのこと(現在はできないと思われる)。

 そしてこの報告があった翌日、Walking CatのTwitterアカウントがOne Outlookのセットアップを行うためのURLを紹介している。このツイートのツリーを見れば分かるが、実際にセットアップしようとしてできないという報告が相次いでおり、報告時点で本当にアクセスできたかは不明だ。また、アクセスには「Edge Dev」が必要だとWalking Catが付記しているが、少なくとも一般ユーザーが試せる状態ではなかったと考えていい。

 ところが、それから2日後の1月7日に、実際にOne Outlookのセットアップに成功したということでスクリーンショット付きの報告を行うユーザーが出現している。方法は秘密としているが、開発中のソフトウェアはこのようなものだという雰囲気を感じ取れればいいと思う。

 いずれにせよ、核となるSun Valley自体が進行中のプロジェクトであり、それをベースにしたOne Outlookが後手となり、外見からして未完成のように見えるのは当然だろう。

 またSun Valleyが成果として最初に一般公開されるのが2021年なのに対し、One Outlookはリリースのターゲットが2022年に設定されており、このあたりの差異も大きい。感覚としては、Sun Valleyのお披露目とともに開発中のOne Outlookのプレビューが行われるという感じなのかもしれない。

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