プロナビ

流出した“シングルスクリーン版Windows 10X”から見えるもの:Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2021年01月26日 11時30分 公開

 以前の本連載で、2021年においてWindowsの世界で起こるトピックをいくつか紹介したが、中でも比較的多くのユーザーにとって影響が大きいと思われるのが「Sun Valley」ならびにWindows 10Xの話題だ。今回はこのうち、1月中旬にリーク画像が大量に出回った「Windows 10X」をピックアップしよう。

流出したWindows 10Xはどのようなものなのか

 本連載で何度か触れているが、Windows 10Xは2段階でのリリースが予定されている。最初は「シングルスクリーン用Windows 10X」で、こちらは「Chrome OS対抗」を目指した製品となる。次が“本来は”Windows 10Xとして当初リリースが予定されていたもので、2画面折りたたみ式デバイス「Surface Neo」とともに発表された「2画面対応でモバイル利用を想定したWindows 10X」となる。

 今回出てきたのは、前者の「シングルスクリーン用Windows 10X」の方で、おそらく「RTM(Release To Manufacturing)」と呼ばれるバージョンに近い“ほぼ完成直前版”が何らかの形でインターネット上にリークされたものと考えられる。

 どのような形で流出したのかは不明だが、Twitterでの流れを見る限り、最初に反応したのはイタリア語圏でWindowsの最新情報を発信しているAggiornamenti Lumiaのアカウントで、流出したビルドの存在をほのめかすツイートを行っている。

 次にWindows Centralのザック・ボーデン氏が、すぐさま流出したイメージファイルを実際にインストールして最初の画面をTwitter上に放流しており、同氏に続く形でWindowsかいわいで活躍する主要ウォッチャーたちが次々と画面を公開している。

 スクリーンショットが最も豊富なのはポール・サーロット氏の記事で、同氏のThurrott.com上(1月17日以降)に大量の画面が掲載されているので興味ある方は参照してほしい。

 各人が紹介しているスクリーンショットや記事を拝見する限り、Windows 10Xの特徴はいくつかあるが、最初に気付くのはセットアップ画面だろう。

 「OOBE(Out Of Box Experience)」と呼ばれる初期セットアップ画面がアニメーションを交えた新しい流れになっており、質問項目が通常版のWindows 10に比べて非常にシンプルになっている(確認事項をしつこく見せてくる流れはあるが……)。

 OOBEの大まかな流れはThe Vergeのトム・ウォーレン氏の動画にもあるが、1点重要なのはNeowinでリッチ・ウッズ氏が指摘している「Microsoftアカウントなしでのセットアップは行えず、オフライン状態ではセットアップできない」という部分だろう。これはWindows 10Xが一種の「クラウドOS」である点を示唆している。

Chrome OS対抗のWindows 10Xをどう見るか

 次にメイン画面の方を見ていく。Windows 10X上で動作するアプリの数々は、既存のものほぼそのままだが、OS本体の“シェル”部分は大きく変化している。タスクバーの部分は非常にシンプルになり、スタートメニュー(スタート画面)も簡素だ。

 詳細はサーロット氏の記事を参照いただきたいが、スタート画面からアプリを起動するごとにアイコンがタスクバー上に増えていき、それを切り替えるだけの“スイッチャー”として機能している。通知や設定画面も非常にシンプルで、いじれる項目はそれなりにあるもののWindows 10よりは少ないという感じだ。

 コントロールパネルやコマンドラインは存在せず、呼び出しも行えない。また標準はタブレットモードに近いインタフェースになっており、画面分割は行えるものの、いわゆる「ウィンドウ操作」のような仕組みはないように見える。あくまでWindowsの“モダンな”アプリが使える簡易版Windows 10と考えればいいのかもしれない。

Windows 10Xのスタート画面(出典:Thurrott.com)

 より重要なのは、現時点においてWin32アプリケーションをWindows 10Xで動作させる方法がない点だ。ウォーレン氏の記事によれば、開発者モード限定で“コンテナ”機能の実装を進めている段階だが、現時点でWindows 10X上でデスクトップ版アプリケーションを動作させる方法はないという。

 このあたりの話題は事前の情報通りだが、Microsoftの意図として当初のWindows 10Xのターゲットが「特定アプリケーションのみを利用するファーストラインワーカーや教育用途向け」という部分にあり、Win32サポート自体の優先順位が低いのだと考えられる。

 似たような試みとしては失敗に終わった「Windows 10S」があるが、こちらは単純に「Windows 10本来の機能を制限しただけの製品」であるのに対し、Windows 10Xは軽量動作を目指してユーザーインタフェースを含めて基本部分から開発された製品であり、当初の立ち位置が異なる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月29日 更新
  1. 有機EL&タッチ対応の新型「MacBook Pro」発表 デザインを全面刷新、“光るAppleロゴ”も復活 (2026年10月29日)
  2. Apple、M6チップの新型「iMac」発表 CPU/GPUを最大12コアに強化、AI処理はM4の最大5倍 24万9800円から (2026年10月27日)
  3. M6チップの新型「14インチMacBook Pro」登場 CPUとGPUが12コアに、バッテリー駆動はMac史上最長の24時間 (2026年10月27日)
  4. Amazonが新AIアシスタント「Alexa+」の日本語版をリリース 「Amazon プライム」会員なら追加料金なしで利用可能 (2026年10月29日)
  5. 有機ELの新型「iPad mini」発表 A20 Pro、IP67対応、8.5型に大型化して11万9800円から (2026年10月26日)
  6. 約260gの軽量化! 15.6型×2画面の変幻自在ディスプレイ「LCD15HC-IPSDUAL2」を使って分かったこと (2026年10月28日)
  7. サンワ、計160W給電+デュアル4K出力に対応したType-C接続対応の多機能拡張ドック (2026年10月27日)
  8. スマホやPCにいる“推し”を手元に――ソニーのコンパクトな空間再現ディスプレイ「ELF-MN1」は今までと何が違う? 実機を体験して分かったこと (2026年10月29日)
  9. Google「Fitbit Edge」先行レビュー Fitbit AirやPixel Watch 5との違いと選び方を解説 (2026年10月27日)
  10. Amazonが新型「Echo Dot」を発売 液晶ディスプレイ付きスマートクロック「Echo Time」も新登場 (2026年10月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー