2018年、香港でゲーミングデバイスブランド「Mad Catz(マッドキャッツ)」が復活を遂げた。Mad Catzといえば、先鋭的なデザインのゲーミングマウスが印象に残っているという人も少なくないだろう。
そんなMad Catzが2020年8月、“ねずみ年”を記念したハイエンドゲーミングマウス「R.A.T. PRO X3 Supreme Edition」を発売した。金色のライン、LEDライティングにマットな質感を備える黒いボディーは、高級感を意識しつつも、Mad Catzらしい先鋭感を維持している。税込みの直販価格は3万円だ。
見た目に圧倒されがちなR.A.T. PRO X3 Supreme Editionだが、カスタマイズ性の高さも魅力である。データの計測や実際のゲームプレイを交えつつ、検証してみよう。
R.A.T. PRO X3 Supreme Editionの外観は、Mad Catzらしい角の多い直線的なデザインとなっている。左右のクリックボタンは大きめだ。筆者の指だと、しっかり握り込んでも第2関節までクリックに使える。ボタンはどれもクリック音が小さめだが、しっかりとした押し下げ感を得られる。
サイドボタンは、金色のものが2つ、黒色のものが1つ備えられている。標準設定では、金色のボタンにはWebブラウザなどにおける「戻る」「進む」機能が、黒いボタンにはゲームにおける精密照準用にマウスの感度(dpi/cpi)を強制的に落とす機能が割り当てられている。サイドボタンの内側にはLEDが仕込まれていて、後述のセッティングソフトで光り方を調整できる。
ホイールは回転させる際にコリコリとした感触があり、ホイールカバーを換装するために跳ね上げる機能がある。ホイールボタンもあるが、こちらは少々固めで力が必要だ。
ケーブル長は約1.8mで、メッシュで被覆されている。マウスを動かす際もしなやかで、邪魔になりにくい。底面にはマウスの動きを滑らかにするためのソールが備わっている。ソールはテフロン素材とセラミック素材の2種類から取り換えて装着可能だ。
底面には赤いボタンもある。これを押すと、後述のセッティングソフトで定義したプロファイルを切り替えられる。プロファイルは最大10個までセット可能で、ゲーム(アプリ)ごとにマウスボタンの定義を簡単に切り替えられる。
パーツのカスタマイズは簡単だ。
パームレストの外装は、ネジを付属の六角ドライバーで外せば交換できる。これを引き抜いて別の外装に交換できる他、外さずに「奥行き」だけを調整することも可能だ。標準形状に加えて、枠をなくしたもの、一部が肉抜きされたものが付属する。
小指レストは、上部にフィンが付いたもの、下部にフィンが付いたものと、フィンがないものが付属する。下にフィンがついたものは、指が床面(マウスパッド)に接触するのを防ぐことで、マウスの滑りをよくする効果がある。一方で、上にフィンの付いたものは、指をひっかけることで、マウスを持ち上げる動作をしやすくしてくれる。親指レストは、サイドボタンのクリック感の有無で2種類から選べる。
これらのパーツは六角レンチで固定されている。好みによって付け替えるようにしたい。
ソールは磁石で固定されているため、指を引っかければ簡単に外れる。しかし、マウスを動かしている間は外れないように工夫されている。材質はPTFE(テフロン)とセラミックの2種類から選べる。
PTFEソールはマウスの動きに“粘り”を出すことができる。逆に、セラミックソールはマウスの滑りを良くする効果がある。マウスの小刻みに動かすといいのか、スイスイ動く方がいいのか、ゲームやアプリに合わせて取り換えよう。
ホイールカバーは、ホイールを上に跳ね上げてから左側に引き抜けば取り外せる。カバーはゴム製のものが1つと、マグネシウム合金製のものが2つ(白色と黒色)付属する。感触や色の好みで選ぼう。
R.A.T. X3 Supreme Editionを実際に握ってみると、マットな感触が心地よい。重量は約105gとやや重めに感じるが、ソールのおかげで左右に振る操作もスムーズに行える。
なお、R.A.T. X3 Supreme Editionには持ち運び用のケースも付属する。硬質なスポンジで形作られた内部にすっぽりと本体とコードを収められるため、「LANパーティー」やゲームイベントに持ち込む際も安心だ。
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