ここからは、ベンチマークテストで性能をチェックしていく。今回借用できたのは1TBモデルで、CPUにRyzen 5 5600X(6コア12スレッド、3.7GHz〜4.6GHz)を備えたシステムでテストした。マザーボードは、ASRockの「B550M SteelLegend」で、マザーボード標準のM.2ヒートシンクを利用して行っている。
比較対象として、Samsungの現行ラインアップにおける上位の980 PRO、SATAモデルの870 EVOのそれぞれ1TBモデルのスコアも掲載している。
まずはHD Tune Pro 5.75のTransfer Benchmarkで、テストサイズ200GBでSLCバッファ容量と、バッファ容量を過ぎた時の性能を確認しよう。
オレンジ色のシーケンシャル書き込みのグラフに注目だ。開始直後から毎秒2500MBを少し超えたあたりの速度で推移し、転送容量がIntelligent Turbo Write 2.0の最大SLCバッファ容量(160GB)を少し超えてから、その後は毎秒400MB前後で推移している。
上位モデルの980 PROの方はどうかというと、転送速度が落ちるのは転送容量が120GBに達する少し前と早いが、落ちた後も毎秒1500MB以上と速い速度をキープしている。
980 PROと比べるとかなり見劣りするが、TLC NANDフラッシュメモリのSLCバッファなしの性能としては、毎秒400MBというのは特に悪い数字ではない。逆に、毎秒1500MBをキープできる980 PROに使われているTLC NANDフラッシュの優秀さが目立つ結果だ。
ひよひよ氏制作の定番ベンチマークテスト「CrystalDiskMark 8.0.1」で基本性能をチェックした。テストデータのサイズは標準の1GiBと最大の64GiBで行ったが、特に傾向に差はなかったため、後者の掲載は割愛した。データタイプは標準のRandomを利用している。
980のシーケンシャル読み出しは毎秒3563MB、シーケンシャル書き込みは毎秒2912MBと、ほぼ公称値どおりのスコアだ。毎秒70.15MBというランダム4K読み出しのスコアも非常に優秀といえる。
ATTO Disk Benchmark 4.01のスコアを見よう。読み出し/書き込みともにCrystalDiskMarkより少し低いスコアになるのは、ほとんどのSSDに共通している傾向だが、読み出しで毎秒約3.3GB、書き込みで毎秒約2.7GBと公称値に近いスコアは出ている。ブロックサイズ別に見ると、書き込みは256KBでほぼピーク、読み出しも512KBでピークに達する。小さいブロックサイズから良好な性能で、980 PROと比べても見劣りは感じず、むしろ上回っているところもある。
最後に、PCMark 10やゲームファイルのコピーをチェックした。
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