スペックは「ロケット級」? Intelの新CPU「Core i9-11900K」「Core i5-11600K」の実力を速攻で検証(1/3 ページ)

» 2021年03月30日 22時00分 公開
[松野将太,ITmedia]

 3月30日22時、IntelのデスクトップPC向け第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Rocket Lake-S)の販売が解禁された。

 第11世代というと、先行して投入されたモバイル向け製品(開発コード名:Tiger Lake)が10nmプロセスであるのに対して、今回投入されるRocket Lake-Sは、第10世代(開発コード名:Comet Lake-S)と同じく14nmプロセスに据え置かれている。その上、Comet Lake-Sでは最大10コア20スレッド構成だったのに対し、Rocket Lake-Sでは最大8コア16スレッド構成とコアとスレッドが削減されている。

 プロセスの微細化が進まなかったことはさておき、世代の進化に伴いコアとスレッドの数が“削減”されることはあまり例がない。単純な数値だけを見比べれば“退化”と言われてもおかしくない。ラインアップを見て「肩透かしだ」と思った人も少なくないだろう。

 ただ、一番重要なのはCPUのパフォーマンスである。コアやスレッドが削減されても、総合性能が向上するのなら問題はない。Rocket Lake-Sのパフォーマンスが気になっている人は多いはずだ。

 この記事では、Rocket Lake-Sの最上位モデル「Core i9-11900K」(3.5GHz〜5.2GHz、8コア16スレッド)と、ゲーミング用途におけるメインストリームモデル「Core i5-11600K」(3.9GHz〜4.9GHz、6コア12スレッド)を使って、Rocket Lake-Sの特徴と実力を見ていく。CPU選びの参考になれば幸いだ。

レビューキット Intelから届けられたレビュー用CPUキット。通常のパッケージとは異なるので注意したい

クロック当たりの処理能力は向上 しかし最大8コア16スレッドに

 先述の通り、Rocket Lake-SはComet Lake-Sと同じ14nmプロセスで製造されているが、CPUコアのアーキテクチャが「Cypress Cove」に変更された。

 Cypress Coveについてざっくりと解説すると、モバイル向け第10世代Coreプロセッサ(開発コード:Ice Lake)で使われた10nmプロセスのCPUコア「Sunny Cove」を14nmプロセス用に再設計したものである。Sunny CoveはIPC(クロック当たりの命令処理数)を従来のCPUコアよりも引き上げたことが特徴で、Cypress Coveもその特徴を引き継いでいる。

 Intelによると、Comet Lake-S比でRocket Lake-SはIPCが最大約19%向上しているという。プロセスこそ「据え置き」になっているが、それでも着実に性能が上がっていることは1つの魅力といえる。

 本来なら、デスクトップ向けにも10nmプロセスのコアを備えるCPUを投入するのがベストではある。しかし、Intelの10nmプロセスコアは、特にハイエンドデスクトップPCで求められる高クロック動作に対応しきれていない。ある意味で、Cypress Coveはデスクトップ向けCPUにおける製品投入の遅れを回避するための「苦肉の策」ともいえる。

 上位モデルにおけるCPUコアの削減は、ダイサイズを始めとする物理的な制約を回避するものと思われる。

レビューキット レビューキットの開封前。繰り返しだが、実際のパッケージとは異なる
CPU レビューキットのCPUは、「Core i5」「Core i9」のロゴをかたどった小箱の中に封入されている

CPU直結のPCI Express 4.0バスを20レーン用意

 そんなRocket Lake-Sだが、Comet Lake-Sで導入された「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0(TBT 3.0)」、「Intel Thermal Velocity Boost Technology(TVB)」など、高クロック駆動を実現するための機能は引き継いでいる。

 CPU直結のPCI Expressバスは、最大レーン数が16から20に拡大された上、より高速なPCI Express 4.0をサポートした。競合のAMDと比べると「遅ればせ」ではあるが、PCI Express 4.0規格のグラフィックスカードやM.2 SSDのポテンシャルを思う存分生かせるようになった。

 メインメモリは、全てのモデルでDDR4-3200(PC4-25600)規格とDDR4-2933(PC4-23400)規格をサポートする。ただし、DDR4-3200規格のメモリを用いる場合、Core i9-11900KとCore i9-11900KF(Core i9-11900Kの内蔵GPUレスモデル)ではメモリとメモリコントローラが同じクロックで動く「Gear 1」モードをサポートするが、それ以外のモデルではメモリコントローラがメモリの半分のクロックで動作する「Gear 2」モードのみサポートする。

 なお、DDR-2933規格のメモリを使う場合は全てのモデルがGear 1モードで動作する。

特徴 Rocket Lake-Sでは、全モデルがPCI Express 4.0バス(最大20レーン)とDDR4-3200メモリをサポートする
メモリのGear DDR4-3200メモリをGear 1(1:1)で動かせるのは、Core i9-11900K/11900KFのみで、それ以外のモデルではGear 2(1:2)動作となる。Rocket Lake-Sをフルサポートするマザーボードでは、UEFI(BIOS)にGear(メモリコントローラとメモリのクロック比率)を変更するための設定項目が設けられている
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月23日 更新
  1. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  2. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  3. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  4. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  5. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  6. 「iPhone Duo」は開けばiPad、閉じればiPhone? いいえ「別ジャンル」です──使うと見えてくる、Appleが考える「フォルダブルスマホ」の流儀 (2026年10月21日)
  7. 実家に眠るVHSとCD、帰省中にデジタルで残すには? PC不要のビデオキャプチャーとCDレコーダーが使える! (2026年10月21日)
  8. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  9. 14型モバイルノートPC「FMV Note U」に新モデル登場 約634gモデルに加えて「ゴジラ-0.0」コラボモデルも (2026年10月22日)
  10. アイオー、テレビ録画用HDD計4シリーズの新モデルを発売 (2026年10月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー