今回は、AdDuplexのWindows 10バージョン別シェアの話題から見ていこう。月末の恒例となっているAdDuplexのバージョン別シェアに関する調査報告だが、3月末時点のデータでは「October 2020 Update(20H2)」のシェアが1カ月間だけで10ポイント近く上昇し、29.9%と全体の3割を占めるまでに至った。
「May 2020 Update(2004)」のシェアは41.8%から42.1%とほぼ横ばいなので、Servicing Technologyのアップデート対象となるバージョン2004以降のOSシェアは72%となる。ここ2〜3カ月ほど続いていた新バージョンへの移行での足踏み傾向は緩和され、さらに次の大型アップデート(機能アップデート)である「21H1」への地ならしが完了しつつある印象を受ける。
そして今回のメインテーマは21H1ということになるが、本稿でも「大型アップデート」と表現しているものの、アップデート内容を考えると果たして“大型”かは微妙なところだ。
前回もレポートしたが、現時点でMicrosoftが21H1でのアップデート内容として報告しているのは下記のWFH(Work From Home)絡みの機能変更のみで、後はバグ修正やパフォーマンス改善にとどまっている。しかもServicing Technologyの対象アップデートのため、既にバージョン2004や20H2を導入済みのユーザーについては、毎月第2火曜日にやってくるセキュリティアップデートと同程度の時間での更新作業で済む可能性が高い。
ゆえに、21H1についてもまた引き続き、2021年後半にやってくる「Sun Valley」の差分を含んだ「21H2」の本命アップデートに向けた地ならしという流れになるだろう。
大型アップデートというと、「どのタイミングでアップデートするのか」「なかなか自分のPCでアップデートが降ってこない」といった形で毎回我々の頭を悩ませてくるが、今回は機能的変更がほとんどなく、おそらくは内部的な仕様変更にともなうトラブルなども少ないと思われ、その点で不安は少ないと予想している。アップデートが降ってくるまで時間がかかるのは各社の対応の問題なのでしょうがないが、これも時間が解決するはずだ。
さて、問題は21H1がどのタイミングで一般提供が開始されるのかという点だ。ほぼ例年通りのスケジュールで4月中にはWindows Insider Programの「Release Preview」での配信と広域テストが行われ、問題がなければ4月末から5月中旬までのいずれかのタイミングで一般提供にこぎつけると予想している。
現時点でWindows Insider Programの「Beta Channel」では3月15日(米国時間)に「Build 19043.899(21H1)」、3月25日(同)に「19043.906(21H1)」の配信がそれぞれ開始されている。Build 19043をベースに、もう少しマイナーバージョンが進んだビルドがRelease Previewに提供されることになるだろう。
興味深いのは直近のWindows 10バージョンについて、バージョン2004は「Build 19041」、20H2は「Build 19042」、21H1は「Build 19043」のメジャー番号で管理され、マイナーバージョンは全て同じタイミングに上がっている。
例えば、先ほど3月25日に19043.906(21H1)の配信が開始されたと述べたが、やはり同日にRelease Preview向けに「Build 19042.906(20H2)」の配信が行われている。
ここで提供されている「KB5000842」のターゲットには20H2と2004の2つのバージョンが含まれており、後者については適用後のビルド番号は「Builds 19041.906」となる。
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