4Kゲーミングにベターな選択肢! 「GeForce RTX 3080 Ti」の実力をチェック(4/4 ページ)

» 2021年06月02日 22時00分 公開
[松野将太ITmedia]
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DXR対応タイトルではどう?

 DXRを有効にした場合のパフォーマンスはどうだろうか。まず、3DMarkのDXRテスト「Port Royal」の結果を見てみよう。

 結論をいってしまえば、今までのテストと同様にRTX 3080 Tiの優位は変わらない。スコアの開き方の傾向は、高負荷なゲームタイトルと似ている。RTX 3080に対しては9%ほど、RTX 2080 Tiに対しては30%ほどのスコアが良い。

 RTを活用した場合でも、RTX 3080 Tiの優位は変わらないといえる。

Port Royal 3DMark(Port Royal)のスコア

 DXRに対応するゲームを代表して、先ほどもテストしたCONTROLにおいてDXRを有効化した場合のフレームレートをチェックしてみよう。RTの設定を「高」とした他は、先のテストから設定を変えていない。

 やはり、フルHDでのフレームレートは伸び悩むものの、WQHD以上の解像度ではRTX 3080 Tiの優位性が垣間見える。RTX 3080 TiならWQHD以上の解像度でも安定して高いパフォーマンスを発揮できる

CONTROL(フルHD) CONTROLのフレームレート(フルHD、DXR高、DLSS有効)
CONTROL(WQHD) CONTROLのフレームレート(WQHD、DXR高、DLSS有効)
CONTROL(4K) CONTROLのフレームレート(4K、DXR高、DLSS有効)

消費電力は明らかにRTX 3080より多い

 最後に、システム全体の消費電力をチェックしよう。3DMarkのTime Spy Extremeを実行中の最高消費電力を「高負荷時」、PCの起動後10分間何もせず放置した状態後の消費電力を「アイドル時」としてワットチェッカーで計測した。

 アイドル時の消費電力はいずれのGPUも55〜56W前後である。高負荷時のピーク消費電力は、RTX 3080 Tiが482W、RTX 3080が431W、1世代前のRTX 2080 Tiの339Wという結果になった。RTX 3080 Tiはパフォーマンスを高めた分だけ電力消費が増えているということが分かりやすく示されている。

 NVIDIAは、GeForce RTX 3080 Ti Founders Editionを使うシステムに750W以上の電源を使うことを推奨している。システム全体の安定稼働を図る上でも、GeForce RTX 3080 Tiを搭載するPCを組み立てる場合は750W以上の電源を用意したい。

電源 システム全体の消費電力

4Kゲーミング環境を整えるならベターな選択肢

 GeForce RTX 3080 Tiは、4Kゲーミングをターゲットにした、極めて高いパフォーマンスを備えるGPUだ。特に、WQHDや4Kといった高解像度環境ではRTX 3080よりもベターな選択肢である。

 「え、GeForce RTX 3090は?」と思う人もいるだろう。確かに、RTX 3080 Tiといえども、RTX 3090よりもスペックは少し低い。しかし、用途をゲームに絞るとRTX 3090の24GBというグラフィックスメモリ容量は過剰である。価格差もそれなりに大きい。あくまでも「4Kゲーミング環境を整えたい」というのなら、RTX 3080 Tiの方が性能と価格のバランスに優れている

 Founders Editionを見る限り、カードのサイズも2スロット厚とかなりコンパクトに収まっており、極端な使い勝手の悪さは感じられない。「予算をしっかりつぎ込める」という前提条件はあるものの、リッチなゲーム環境を構築したいなら、RTX 3080 Tiは期待に違わぬ働きを見せてくれるだろう。

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