「iPhone 13」「13 Pro」を試して分かったこだわりの違い コンピュテーショナルフォトグラフィーはここまで進化した本田雅一のクロスオーバーデジタル(5/6 ページ)

» 2021年09月22日 20時30分 公開
[本田雅一ITmedia]

制約は減ったものの、使いこなしが必要なiPhone 13 Pro

 使い始めるとiPhone 13世代のカメラ機能は変更点が膨大で、なかなかその全体像をテストし切れない。例えば、写真出力時のちょっとした風合いをカスタマイズしておける

フォトグラフスタイルは、現像パラメータをプリセットしておき、撮影時に適用するもので、積極的に絵作りしたいユーザーは楽しめるだろう。

 トーンと鮮やかさという2つの軸で表現されたフォトグラフスタイルのパラメータは、±それぞれ100ずつの段階がある。まずは画面上でシミュレートしながら、Appleが提供している4つのスタイルを適用しつつ、そこから好みの方向へと微調整していくといいだろう。しばらく使い込まなければ、本当に好みの映像へとはたどり着けないかもしれないが、それだけt使いこなす範囲も広いというものだ。

 これはシネマティックモードも同じで、その仕組みを楽しみながら使いこなそうという気持ちが強いほどより強力な機能として捉えられる。もちろん受け身で使っていてもシネマティックモードは面白いのだが、フォーカスの合う範囲が狭いため常時このモードで動画撮影する場合には、F値を後編集するなどで被写界深度を変えるなどの工夫が必要だ。

 またマクロ機能に関しても、2cmまで寄れるのはとても便利だが、広角や望遠でもピントが合わない範囲だと自動的に超広角カメラに切り替わってしまうのはやや難点。仕組みを知らなければ、急に構図が変化してしまうため、使っていて驚くと思う。当然ながら広角カメラ時のマクロモードは2倍、望遠カメラ時のマクロモードは6倍の電子ズームにもなってしまう。

 できることなら、Appleには広角時や望遠時にマクロモードに自動的に入らない(手動で切り替える)ようなアップデートを搭載してほしい。Appleはもちろん、この点は意識しているようで、動画撮影時には広角カメラや望遠カメラからマクロに切り替わったりはしない。

 また77mm相当の望遠レンズも、屋外での人物撮影や遠景の撮影時に便利なことは間違いないが、室内で望遠レンズの圧縮効果を狙ったり、ポートレートモードでモノを撮影したりしたい人には画角が狭すぎる。

 画素数はともかく描写はよいので、広角レンズで撮影してからクロップしてもいいのだが、そうした使い分けなども含めてシンプルに使いこなせるiPhone 13シリーズのカジュアルさと、iPhone 13 Proシリーズのキャラクターの差が際立っている。

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