ベンチマークテストの結果を見よう。今回は比較対象として、2台のPCを用意した。片方はCPUこそ一世代前(第10世代Core i7-10870H)だが、GPUは格上のGeForce RTX 3060 Laptopを搭載したモデルで、本製品のCore i7-11800HとGeForce RTX 3050 Laptopの実力に注目したい。Control Centerのモードはパフォーマンスで統一している。
CINEBENCH R23のスコアには、第11世代Coreプロセッサの優秀さが現れている。同じ8コア16スレッドでも、Core i7-11800HとCore i7-10870H、一世代違うだけでこんなにも違うかというほどの明らかな差だ。マルチスレッド性能だけでなく、シングルスレッド性能(CPUシングルコア)のスコアが大きく向上している点が、第11世代Coreプロセッサのマイクロアーキテクチャ(Willow Cove)の優秀さを物語っており、本製品はその性能をしっかり引き出している。
PCMark 10では、Digital Content Creation(コンテンツ制作)だけはRTX 3060 Laptop搭載モデルに劣ったが、他の項目では総合スコア含めて上を行っており、総合性能の高さを示している。
3DMarkのスコアはご覧の通りだ。さすがにGeForce RTX 3060 Laptopと比べると見劣るものの、Fire Strikeで1万以上のスコアならば、大抵のゲームは標準クラスの画質でプレイできるだろう。なお、DXR対応のPort Royalは「互換性なし」と表示され、630という低調なスコアにとどまった。RTXシリーズとはいえ、RTコアの数は少なく、レイトレーシング性能についてはおまけ程度と思った方がよさそうだ。
実際のクリエイティブアプリでの性能も計測した。RTX 3060 Laptopを搭載した比較対象に劣っている処理もあるが、逆に勝っている処理もあり、クリエイティブ適性の高さははっきりと実証された。
Core i7-11800HとGeForce RTX 3050の組み合わせは、ゲーミングPCとしてはややGPUが弱くアンバランスに感じるかもしれないが、クリエイティブにとってはスイートスポットを突いている。これからのクリエイター向けPCの定番的な構成になって欲しい組み合わせだ。
本製品はそれに加えて、BTOでメモリとストレージを柔軟にカスタマイズできること、sRGB比で約100%カバーの液晶ディスプレイを搭載している点でクリエイティブ適性が高い。
さらに、持ち運べるサイズ、重さにまとまっているのも本製品ならではの付加価値だ。クリエイターPCの購入を検討しているならば、最有力候補の1つだろう。価格も評価機の構成で税込み18万6780円(送料別)だが、10月13日10時59分まで「秋売り尽くしセール」が開催中で同17万5780円で購入可能だ。
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