マウスコンピューターから新たに登場した「DAIV 5P」は、CPUにCore i7-11800H、GPUにNVIDIA GeForce RTX 3050を搭載する重量約1.73kgの15.6型クリエイター向けノートPCだ。写真のRAW現像やYouTube向けの動作制作などをしている人には、ジャストフィットしそうな製品である。実機を入手したのでレビューしよう。
本製品が採用するCPUはCore i7-11800Hだ。開発コード名「Tiger Lake-H」で知られる第11世代Coreプロセッサの8コア16スレッドモデルである。
このセグメント(TDP45Wクラスの高性能ノートPC向け)は特に前世代からの進歩が大きく、シングル/マルチスレッド性能、電力効率ともにアドバンテージが大きい。
GPUはNVIDIA最新のGeForce RTX 3050 Laptop(グラフィックスメモリは4GB)を装備する。従来のGeForce GTX 1660 Ti/1650の後継的存在で、RTXシリーズとしてはエントリークラスとなるが、GTXからRTXとなった進化は見逃せない。
特にAI推論に特化Tensorコアの統合が大きく、クリエイティブ向けのアプリでは、AI処理、エンコードも含めたGPUアクセラレーションによる十分なメリットを受けられる。むしろハイエンドGPUの性能はヘビークリエイター以外だと持て余すことが多く、コストパフォーマンスは最高だ。
NVIDIAは、AIを活用した音声/映像のノイズリダクション、バーチャル背景などを利用できる「NVIDIA Broadcast」を配布しており、ビデオ会議や配信用途などでもRTXのアドバンテージは大きい。
過剰に高性能なGPUを搭載していないことは、消費電力(バッテリー駆動時間)や放熱設計でも有利だ。RTX 30シリーズはプロセスルールも進化しているため電力効率も向上しており、本製品が約1.73kgという軽量なフォームファクターを採用しているのも、このGeForce RTX 3050 Laptopによるところが大きい。
メモリは、DDR4-3200(PC4-25600)を採用している。標準は16GB(8GB×2)、最大64GB(32GB×2)まで搭載できる。
ストレージは、標準でPCI Express対応SSDを512GB搭載する。BTOではPCI Express 4.0 x4対応のSamsung PM9A1を指定することや、最大4TB(2TB+2TB)の構成など、柔軟なカスタマイズが行える。
本格的にクリエイティブ作業に取り組むならば、メモリは32GB以上、ストレージも2TBくらいは欲しいところだ。そういうニーズにもしっかり応えられる。
なお、OSはWindows 10 Home(64bit)だが、BTOでWindows 10 Pro(64bit)に変更可能で、後日Windows 11にも無償アップグレードできる。
クリエイティブ適性の高いスペックを備えながら、ボディーが薄型かつ軽量で、持ち運んで使えるというのも本製品の付加価値の1つだ。
具体的なボディーサイズは、約355.5(幅)×236.7(奥行き)×20.6(厚さ)mm、重量は約1.73kgだ。Core i7-11800Hと外部GPUを搭載したノートPCとしては薄型軽量で、バッテリー駆動時間も公称で約9時間(JEITAバッテリ時間測定法Ver.2.0)と実用的な時間を確保している。
身軽にというほどではないものの、室内で移動したり、サテライトオフィスやカフェなどで作業したりする際に持ち運ぶ程度ならば苦にならない。テザー撮影(PCを利用した撮影)用にスタジオに持ち込む用途などにもフィットしそうだ。
続いて、液晶ディスプレイやキーボード回りを見ていこう。
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