今回取り上げるマウスコンピューターの「G-Tune HL-B」は、同社のゲーミングブランド「G-Tune」シリーズに属するコンパクトなデスクトップPCだ。
G-Tuneの「L」シリーズは、高性能グラフィックスカードを搭載しつつも容積が約20L(ハンドル部を除く)と小型で、持ち運びやすいようにハンドルを上部に備えているのが特徴となる。
ゲームはもちろん、昨今ではオンラインビデオ会議でもノイズキャンセリングやクロマキーなどの用途で、グラフィックスカード搭載PCのニーズが高い。そしてスペースが限られる在宅ワークや、何かと手狭な賃貸住まい層を中心に、高い性能とコンパクトなボディーを備えたPCのニーズがある。こういった要素をうまく融合させたのが本製品だ。
まずは、第1の特徴であるボディーから見ていこう。本製品のボディーサイズは約178(幅)×395(奥行き)×285(高さ、ハンドル部を除く)mmで、容積は約20Lだ。例えば、同社のミドルタワーモデルを例に挙げると、約210(幅)×521(奥行き)×426(高さ)mmと高さが141mmも低く、グラフィックスカードを搭載しながら奥行きも126mm短い。
PCを机の上に置いた際によく気になるのが、ボディーの高さと奥行きだ。椅子に座った際の目線を遮る高さだと圧迫感を覚える。本製品は成人であれば、およそ目線はその天板よりも高い位置になる。前方が開けてクリアな感じだ。
奥行きも、後部のケーブル配線を加えておよそ60cmは確保したい。事務机ならば余裕があるが、家庭用の省スペース机ではまさに奥行き60cm程度のものが多い。そのため、ミドルタワークラスのPCは机の下に置くことが多いわけだ。
その点、本製品は机の上に置いても大丈夫だ。さらに幅もミドルタワーケースより狭く、PCを置きつつも机の上を広く使いたいというニーズにピッタリと言えるだろう。
ボディーのメインカラーはマットブラックだ。前面はゆるくカーブを描き、あまりカクカクとしすぎないところがPC特有の圧迫感を少し和らげている。フロントインタフェースは前面パネルの右側面にあり、電源ボタン、USB 3.0 Type-A×2、ヘッドフォン出力、マイク入力端子が並ぶ。
左右の両側板はメッシュ仕様で、背面にも排気口を設けている。主な吸気口は底面で、ここにはスライド式で着脱可能なフィルターがあり、ホコリの混入を抑えている。
そして最も目を引くのが、天面部分のハンドルだ。グラフィックスカードを内蔵するため重量は8kg近くあるが、ハンドルがあるおかげで片手でラクに持ち上げることができ、両手で底面を支えるような持ち方になるミドルタワーPCと異なる。このおかげでPCの移動はもちろん、背面のインタフェースを着脱するような時も苦にならない。さまざまなゲーム大会に使用されたのもうなずける部分だ。
両側面のカバーは、背面のネジ2本を回すことで着脱できる。左側面のカバーを外して現れるのは、SSDやHDDを搭載するプレートだ。マザーボードや電源、グラフィックスカードなどは、このプレートを外してからアクセスする。そしてこのプレートは3つのネジでフレームに固定されているが、上部にフックがあり、これをスライドさせない限りネジを外しても脱落しない。PCのメンテナンスに慣れていない人でも安心だ。
評価機には、プレート上にデータ用(Dドライブ)の3.5インチHDDを備えていた。本製品はコンパクトなモデルだが、ストレージの拡張性は驚くほど高い。
Intel B460チップセットを備えたマザーボード上にはM.2スロットがあり、システムドライブ(Cドライブ)はこれを用いている。パーツ構成にもよるが、シャドーベイは3.5インチが1基、2.5インチは3基も備えている。加えて、フロントパネル裏にはスロットインタイプの光学ドライブを搭載でき、注文時のBTOカスタマイズで選択が可能だ。
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