さて、本製品はFire TV Stick 4K Maxという製品名からも分かるように、4Kコンテンツに対応しているのが最大の特徴だが、筆者宅の視聴環境はフルHD止まりで、4K対応は宝の持ち腐れだ。これだけ見れば、わざわざ本製品を買うメリットはないようにも見える。
もっとも本製品は、4Kコンテンツ向けにメモリは非4Kモデルの2倍(2GB)、プロセッサもクアッドコア1.7GHzだったのが1.8GHzへとパワーアップしているせいか、動作がおそろしくサクサクで、ストレスがたまらない。
筆者の場合、従来の4Kモデル(Fire TV Stick 4K)が手元になく、Amazonが言うように「40%パワフル」になっているかは確認できないのだが、少なくとも2020年に発売された非4Kの第3世代モデルと比べると、そのレスポンスの違いは40%どころではない。
もしこれで、非4Kモデルとの価格差が1万円や2万円もあれば話は変わってくるのだが、現在の価格差はたった2千円である。そのため、4Kの表示環境がない場合はもちろん、次の買い替えまでの間に自身の視聴環境が4Kにアップグレードしないままになっても、快適に操作するためだけに、本製品を選ぶ価値はある。こうした日々の快適さに直結する部分は、なるべくケチるべきではない。
あえて残念な点を挙げるとするならば、リモコンのショートカットボタンで、YouTubeの名前がないことだろうか。両者が微妙な関係なのは周知の事実だが、Amazon Prime VideoやNetflixなどの名が並ぶ中で、最も知名度が高い動画配信サービスの名がないのは、やはりマイナスと言わざるを得ない。
ちなみに、このショートカットボタンの顔ぶれは各国によって違いがあり、例えば米国やドイツはDAZNの代わりにDisney+があり、また米国はAmazonミュージックではなくHuluがある。これら専用ボタンの搭載にはおそらくけっこうな広告費が動いているはずなので(あくまで筆者の推測である)、ユーザーが自由に割り当てを変更できるようにするのは難しいだろうが、使い勝手から言えば、そうしたボタンもあってほしいところだ。
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