プロユースにも耐える性能と機能を備えたクリエイター向けPC「ProArt Studiobook 16 OLED」を試す(3/4 ページ)

» 2022年01月12日 12時12分 公開
[マルオマサトITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ペンタブとしても使えるタッチパッドやASUS Dialを搭載

 ゆとりあるボディーサイズを生かして、テンキー付きのキーボードを用意する。配列はファンクションキーが左側に寄っていたり、Enterキーとテンキーの間隔が狭かったりとややクセがあるが、主要キーのピッチは約19mmと広く確保されており、タッチ感も良好だ。

 キーボードの手前にはタッチパッドがある。このタッチパッドは1024段階の筆圧検知に対応したデジタイザーを内蔵しており、ペンタブレットとしても利用可能だ。

 タッチパッド下には3つのファンクションキーを搭載する。「オブジェクトの回転や反転、3Dレンダリングソフトでの360度表示など、よく使われる操作を簡単に行うことができる」とされているが、試用時点では左右のキーがクリックボタンとして機能しているだけであった。

 また、パッド脇には「ASUS Dial」と呼ばれるダイヤルがある。システムの音量や画面の明るさを変更できる他、Photoshop CCでのブラシサイズ変更、ズーム、Premiere Proのタイムラインの縮小拡大など、アドビのクリエイティブアプリの機能をダイヤル操作で行える。発売前の試用時点ではまだ完全な状態ではなかったが、可動部のフィーリングはとても良く、手元を見なくとも繊細な操作を行えた。

ASUS ProArt Studiobook キーボードはテンキー付きで、キーを3列に収めるために少し変則的な配置になっているがタッチ感は良好だ
ASUS ProArt Studiobook キーボードはバックライト機能を備える
ASUS ProArt Studiobook タッチパッドの左に円形のダイヤル「ASUS Dial」を内蔵している
ASUS ProArt Studiobook ASUS Dialの機能は、ProArtHubでカスタマイズできる
ASUS ProArt Studiobook タッチパッドはオプションのASUSペン(ASUS Pen SA201H)での操作に対応し、ペンタブレットのように使える。単6型乾電池を利用する
ASUS ProArt Studiobook ペンは六角形で2ボタンも用意されている。筆圧検知は最大4096段階で重量は約20gあり、ペン先は交換できる。直販のASUS Store価格で8778円だ

クリエイティブ適性の高さをベンチマークテストで実証

 ベンチマークテストの結果を掲載する。CPUはRyzen 9 5900HX、メモリは32GB、ストレージが1TBのPCI Express SSD、GPUはNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop(8GB)、OSがWindows 11 Homeという内容だ。

 ProArt Hubで設定できるパフォーマンスモードは、スタンダードを基本に、定番テストではパフォーマンスでも行っている。参考として、同社の「Vivobook Pro 16X OLED N7600PC」と「Vivobook Pro 14 OLED M3401QA」のスコアも掲載している。

ASUS ProArt Studiobook テストに利用した環境

 CINEBENCH R23のスコアを見ると、パフォーマンスモードではRyzen 9 5900HX搭載機として十分なスコアを出しており、CPUの性能をしっかり引き出せていることが分かる。スタンダードモードでもスコアの落ち込みは少なく、同じCPUを搭載するVivobook Pro 14 OLED(スタンダードモード)のスコアを大きく上回っている。

ASUS ProArt Studiobook CINEBENCH R23のスコア(スタンダードモード)
ASUS ProArt Studiobook CINEBENCH R23のスコア比較

 PCMark 10のスコアもご覧の通りだ。Core i7-11370Hを搭載するVivobook Pro 16X OLED N7600PCに対して、全ての項目ではっきりとしたアドバンテージを示している。特にクリエイティブ作業をシミュレートするDigital Content Creationでは大きな差を付けている。

ASUS ProArt Studiobook PCMark 10のスコア比較
ASUS ProArt Studiobook PCMark 10 Applicationsのスコア比較
ASUS ProArt Studiobook PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア。一般的なビジネス用途の利用なら、十分にビジネスタイムをカバーするだけの駆動時間を確保している

 GPUにNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop)を搭載しているので、3D描画性能も優秀だ。負荷が高い処理ほどパフォーマンスモードとスタンダードモードの差は大きい傾向がある。

 UL Procyon Benchmark Suitesのスコアも優秀だ。比較対象に対し、特にビデオ編集(Video Editing)で大きな優位を示しており、クリエイティブ適性の高さもしっかり実証している。

 静音性は優秀な部類に入る。高負荷時にはそれなりにノイズが大きくはなるものの、スタンダードモードでは一般的な空調機器よりも低いくらいのレベルで済む。パフォーマンスモードでも極端に大きくなることはなく、このモードで常用するのも現実的だろう。ただし、どちらのモードでも発熱は全体にやや高めで、室温が高い環境ではノートPC用クーラーが欲しくなるかもしれない。

ASUS ProArt Studiobook 3DMarkのスコア比較
ASUS ProArt Studiobook FINAL FANTASY XIV:暁のフィナーレベンチマークのスコア(3840×2400ピクセル、最高品質、スタンダードモード)
ASUS ProArt Studiobook UL Procyon Benchmark Suitesのスコア比較
ASUS ProArt Studiobook FINAL FANTASY XIV:暁のフィナーレベンチマーク(3840×2400ピクセル、最高品質)の終了直前にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(室温20度)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー