ゆとりあるボディーサイズを生かして、テンキー付きのキーボードを用意する。配列はファンクションキーが左側に寄っていたり、Enterキーとテンキーの間隔が狭かったりとややクセがあるが、主要キーのピッチは約19mmと広く確保されており、タッチ感も良好だ。
キーボードの手前にはタッチパッドがある。このタッチパッドは1024段階の筆圧検知に対応したデジタイザーを内蔵しており、ペンタブレットとしても利用可能だ。
タッチパッド下には3つのファンクションキーを搭載する。「オブジェクトの回転や反転、3Dレンダリングソフトでの360度表示など、よく使われる操作を簡単に行うことができる」とされているが、試用時点では左右のキーがクリックボタンとして機能しているだけであった。
また、パッド脇には「ASUS Dial」と呼ばれるダイヤルがある。システムの音量や画面の明るさを変更できる他、Photoshop CCでのブラシサイズ変更、ズーム、Premiere Proのタイムラインの縮小拡大など、アドビのクリエイティブアプリの機能をダイヤル操作で行える。発売前の試用時点ではまだ完全な状態ではなかったが、可動部のフィーリングはとても良く、手元を見なくとも繊細な操作を行えた。
ベンチマークテストの結果を掲載する。CPUはRyzen 9 5900HX、メモリは32GB、ストレージが1TBのPCI Express SSD、GPUはNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop(8GB)、OSがWindows 11 Homeという内容だ。
ProArt Hubで設定できるパフォーマンスモードは、スタンダードを基本に、定番テストではパフォーマンスでも行っている。参考として、同社の「Vivobook Pro 16X OLED N7600PC」と「Vivobook Pro 14 OLED M3401QA」のスコアも掲載している。
CINEBENCH R23のスコアを見ると、パフォーマンスモードではRyzen 9 5900HX搭載機として十分なスコアを出しており、CPUの性能をしっかり引き出せていることが分かる。スタンダードモードでもスコアの落ち込みは少なく、同じCPUを搭載するVivobook Pro 14 OLED(スタンダードモード)のスコアを大きく上回っている。
PCMark 10のスコアもご覧の通りだ。Core i7-11370Hを搭載するVivobook Pro 16X OLED N7600PCに対して、全ての項目ではっきりとしたアドバンテージを示している。特にクリエイティブ作業をシミュレートするDigital Content Creationでは大きな差を付けている。
GPUにNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop)を搭載しているので、3D描画性能も優秀だ。負荷が高い処理ほどパフォーマンスモードとスタンダードモードの差は大きい傾向がある。
UL Procyon Benchmark Suitesのスコアも優秀だ。比較対象に対し、特にビデオ編集(Video Editing)で大きな優位を示しており、クリエイティブ適性の高さもしっかり実証している。
静音性は優秀な部類に入る。高負荷時にはそれなりにノイズが大きくはなるものの、スタンダードモードでは一般的な空調機器よりも低いくらいのレベルで済む。パフォーマンスモードでも極端に大きくなることはなく、このモードで常用するのも現実的だろう。ただし、どちらのモードでも発熱は全体にやや高めで、室温が高い環境ではノートPC用クーラーが欲しくなるかもしれない。
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