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5G標準対応のArm版Windows 10搭載2in1 PC「HP Elite Folio」を使って分かったことArmだからできるデザインと機能(2/3 ページ)

» 2022年01月20日 12時30分 公開
[マルオマサトITmedia]

デュアルヒンジでスタイル可変 タスクに合わせて使える3モードを用意

 クラムシェル型の一般的なノートPCと同じ「ノートPCモード」に加え、画面をキーボードの手前に設置する「メディアモード」、フラットなタブレットとして使う「タブレットモード」の3つのスタイルで利用できるのがユニークだ。

 また、「HP Elite スリム アクティブペン」が標準で付属する。キーボード奥に充電機能付きの格納スペースがあり、充電切れや紛失の不安なく、必要な時にサッと取り出して扱える。

HP Elite Folio ノートPCモードのヒンジはこの角度(約135度)まで開く
HP Elite Folio 画面をキーボードの手前に設置した「メディアモード」は、プレゼンテーションや動画視聴時などに便利だ
HP Elite Folio メディアモード時を側面から見たところ。画面裏にもヒンジがあり、画面だけを持ち上げて変形する仕組みだ
HP Elite Folio 画面をキーボードの上に倒せばタブレットとして利用可能だ。タッチ操作だけでなく、標準で付属する「HP Elite スリム アクティブペン」での操作も行える
HP Elite Folio 「HP Elite スリム アクティブペン」はキーボード奥に収納できるようフラットな形状となっている。なめらかなタッチで書き心地は良好だ
HP Elite Folio キーボード奥にあるペン収納スペース。右端にnanoSIMカードトレイが用意される
HP Elite Folio ペンを取り出すとInkWorkSpace(WhiteBoardとクリップボードを起動できるランチャー)がポップアップする
HP Elite Folio ペンの設定はOSで変更できる

CPU(SoC)はArmベースのSnapdragon 8cx Gen2 5G Platform

 HP Elite Folioは、システムの中核にQualcommのSnapdragon 8cx Gen2 5G Platformを採用している。ArmベースのCPUコアに加えて、GPUコア(Qualcomm Adreno 690)、Wi-Fi 6対応の通信機能、5G対応のWWANモデム(Qualcomm Snapdragon X55 5G)、AI処理エンジンなどを統合したSoCだ。

 Snapdragon 8cx Gen2 5G PlatformのTDPは7Wで、この7WのSoCにシステムのほとんどの機能を集積しているだけに、放熱設計は他のCPU搭載モデルに比べて柔軟に行える。本製品もファンレス駆動を実現しており、バッテリー駆動時間も約21.1時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)と長い。

 メモリはLPDDR4Xを8GB(増設不可)、ストレージはNVMe SSDを256GB(PCI Express 3.0 x4)を備えるが、メモリを16GB、SSD容量を512GBにした上位モデル(3E8V3PA)も用意されている。

HP Elite Folio システムの中核にSnapdragon 8cx Gen2 5G Platformを採用する。ArmベースのCPUコアとGPUコア、5Gモデムなど多彩な機能を1チップに統合している
HP Elite Folio CPU部分は8コア8スレッドだ
HP Elite Folio Battery reportでの表示
HP Elite Folio ストレージは容量256GBのNVMe SSDを搭載する。評価機ではキオクシアのSSDを採用していた
HP Elite Folio CrystalDiskMark(ひよひよ氏・作)のスコア。ランダムアクセスのスコアは最近のSSDとしてはあまり良くないが、シーケンシャルリードは高速だ

プリインストールOSはArm版Windows 10 Pro

 OSにはWindows 10 Pro 64bit(Arm版)をプリインストールしている。ArmベースのCPUコアは、IntelやAMDとは命令セットアーキテクチャが異なるので、Arm専用に開発されたOSが必要になるため、WindowsもArm専用バージョンだ。とはいえOSの機能的にはほとんど変わりなく、普段使いにおいては特にArm版であることを意識することなく利用できる。

 アプリケーションに関しては、Armネイティブのアプリの他、Intel/AMD用の32bit(x86)アプリはエミュレーションで動く。Arm版Windows 11では、Intel/AMD用の64bit(x64)アプリもエミュレーションで動作させることができるようになる予定だ。もちろん、本製品はWindows 11 Proへも無償アップグレード可能だ。

HP Elite Folio OSにはWindows 10 Pro 64bit(Arm版)をプリインストールしている。Armネイティブのアプリの他、Intel/AMD用の32bit(x86)アプリをエミュレーションで動作する。今後登場するArm版Windows 11では64bit(x64)アプリのエミュレーションも可能になる

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