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5G標準対応のArm版Windows 10搭載2in1 PC「HP Elite Folio」を使って分かったことArmだからできるデザインと機能(3/3 ページ)

» 2022年01月20日 12時30分 公開
[マルオマサトITmedia]
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気になる性能はどうだ?

 Snapdragon搭載ということで気になるのがパフォーマンスだ。Core i5-8250U(4コア8スレッド)を装備したモバイルPC(ThinkPad T480s/メモリ20GB/SATA SSD 1TB)と比べたが、PCMark 10 Applications(Word、Excel、PowerPoint)では約70%のスコアだった。ブラウザベースのWebXPRT 3(Edgeブラウザ)では比較対象の約75%のスコアとなった。

 3年前のPCにも及ばないスコアではあるが、体感的な使用感は数字ほど見劣らない印象だ。スリープ(モダンスタンバイ)からの復帰は速く、OSネイティブの基本操作もキビキビとした動作で、こうした部分だけならモダンスタンバイに対応した最新PCとあまり変わらない。エミュレーションでの動作となるアプリもスムーズに使えた。試用中に明らかに遅いと感じたのは、PCMark 10のインストール時くらいで、意識しなければ特に遅延を感じるようなこともなかった。

 Armネイティブのソフトウェアとして、アドビのPhotoshop CCを試した。評価機はメモリやストレージが少ないこともあって、編集する枚数が増えていくと明らかに遅延するが、1〜2枚のRAWデータを編集するだけならば最新PCと変わらないレスポンスで、ちょっとした色調の補正、トリミング、リサイズ程度の作業ならば快適に使える印象だ。

 なお、Arm版のZoomも試用してみたが、現状使えるのは基本的な機能のみにとどまる。操作感自体はサクサクであったが、バーチャル背景も利用できないのは残念なところで、今後の機能強化に期待したいところだ。

HP Elite Folio PCMark 10 Applicationsのスコア
HP Elite Folio Edgeブラウザで実行したWebXPRT 3のスコア
HP Elite Folio ThinkPad T480s(CPU:Core i5-8250U/メモリ:20GB/ストレージ:1TB SATA SSD)のWebXPRT 3のスコア(Edgeブラウザで実行)
HP Elite Folio Armネイティブ版のPhotoshop CCでは、GPUコアのアクセラレーションも利用できた(ただしCameraRAWでは認識されず)

最大輝度で実動約12時間動作 何よりファンレスで発熱も低い

 バッテリーの駆動時間は、Wi-Fi 6で常時接続、最大輝度でYouTubeのフルHD動画を連続再生するという条件で測定してみたところ、残量がなくなるまで約12時間動作していた。公称値は約21.1時間だが、厳しい条件であることを考えると十分だろう。ただ、残量が0%になってからはACアダプターを接続していてもバッテリーがある程度(数%)充電できていないと電源を入れることができなかった。スマートフォンやタブレットではよく見る光景で、対策はいくらでもあるので弱点というわけではないが、通常のPCとは少し違う扱いが必要なようだ。

 使っていて一番感じたのが、ファンレスでもボディーがほとんど発熱せず、常時快適に使い続けることができたことだ。この点は、ヴィーガンレザー搭載のデザインと合わせて、Snapdragon 8cx Gen2 5G Platformを搭載している最大のメリットではないだろうか。

HP Elite Folio 室温18度の環境で、PCMark 10 Applicationsの実行終盤にFLIR ONEで測定したサーモグラフィー。最高部分でも30.3度と全体的に低発熱だ

Snapdragon 8cx Gen2 5G Platformの特徴を生かし切った意欲作

 ArmベースのCPUを搭載したPCではスマートフォンライクなスリープ(モダンスタンバイ)からの復帰の速さが強調されるが、それだけならば既にIntel系CPUとモダンスタンバイでも実現されている体験と大差ない。

 本製品はそれにとどまらず、放熱設計が容易なことからくるこれまでにない新鮮なデザイン、タブレットとしても使える独自の可変スタイル、ファンレスでも高温にならない扱いやすさ。5Gの高速通信対応、充電を含め多用途に使えるUSB Type-C、美しいアスペクト比3:2の画面なども見逃せない。

 Snapdragon 8cx Gen2 5G Platformを生かした独自の付加価値を上乗せして、完成度の高いビジネスモバイルPCに仕上げているところが素晴らしい。直販価格はキャンペーンモデル(3E5U0PA)で税込み18万4580円だ。メモリ16GB、ストレージが512GBになる上位モデルは19万7780円(キャンペーン価格、3E8V3PA)で用意されている。

 普段利用しているアプリの動作に問題がなければ、ネットワーク環境を気にせずどこでも使えるモバイルPCとしてぜひ検討の選択肢に加えてほしい。

HP Elite Folio 液晶ディスプレイ天板部分にはエンボス加工が施されたロゴがある
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