Windows 11が要件を満たさないPCに「透かし(ウォーターマーク)」を表示する予定 どうすればいい?

» 2022年03月28日 12時15分 公開
[井上翔ITmedia]

 既報の通り、Microsoftの最新OS「Windows 11」は、動作要件を満たさないPCでも一定の操作を経ることでインストール可能だ。

 しかし同社は今後、要件を満たさないPCで稼働しているWindows 11のデスクトップ画面に動作要件を満たさない旨の透かし(ウォーターマーク)を表示する方針であるようだ。

ウォーターマーク 一見すると何の変哲もないWindows 11のデスクトップ画面だが……

事実上の「製品候補版」でウォーターマークが出現

 Windows 10/11では、新しい更新や新機能を先行して試せる「Windows Insider Program」が用意されている。

 Insider Programでは「Dev(開発者向け)」「Beta(β)」「Release Preview(先行リリース)」の3つのチャネルが用意されている。これらのうち、Release Previewチャネルで配信される更新は、よほどのことがない限りInsider Programに登録されていないデバイスにも後日展開される「製品候補版」という位置付けとなる。

 Microsoftは3月15日(米国太平洋時間)から、Windows 11のInsider Programのうちβ/先行リリースチャネルに参加しているデバイスに対して「KB5011563」という累積更新プログラムを提供している。この更新を適用したWindows 11のビルド番号は「22000.588」となる。

Windows 11 22000.588 Windows 11 Insider Programのβチャネルと先行リリースチャネルで配信されている累積更新プログラム「KB5011563」を適用すると、Windows 11のビルド番号が「22000.588」となる

 この累積更新プログラムでは、優先度の高い通知を最大3つまで同時に表示する機能が新たに実装される。その他、複数項目に渡る不具合修正も行われる。

 ……が、この更新プログラムには更新内容として列挙されていない“新機能”が見受けられる。動作要件を満たさないPCにおいて、デスクトップ画面にその旨を透かし表示する機能が盛り込まれたのだ。日本語表示の場合、デスクトップ画面の右下に「システム要件を満たしていません。[設定]に移動して詳細を確認してください」と出てくる。

 先述の通り、先行リリースチャネルで配信される更新プログラムは、よほどのことがない限りInsider Programに登録されていないデバイスにも後日展開される。つまり動作要件を満たしていない一般のWindows 11 PCでも、今後このウォーターマークが出るようになる可能性は高いということである。

出たウォーターマーク 筆者はCore i5-4200M(第4世代Coreプロセッサ)を搭載するPCでWindows 11を使っている。そのため、KB5011563を適用すると画像のようなウォーターマークが表示されるようになる

ウォーターマークが出てきたらどうする?

 このウォーターマークの指示に従って「設定」を開くと、システムのプロパティにも「システム要件が満たされていません」と表示される。横にある「詳細情報」をクリック(タップ)すると、Webブラウザで「最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11 をインストールする」というページが表示される。このページは過去の記事でも紹介したものだ。

設定画面 設定の「システム」にも要件を満たしていない旨が表示されるようになる

 このウォーターマークは、あくまでもデスクトップ画面を表示している場合のみ表示される。他のウィンドウなどを侵食することもなければ、動作に特段の影響を与えるわけでもない。

 ただし、要件を満たしていないPCを使っている事実には変わりない。今後の機能更新などで古いハードウェアのサポートが打ち切られる可能性は否定できないので、要件を満たせるようにハードウェアを換装/増設するか、PC自体の買い換えを検討した方が良いかもしれない。

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