タブレットやスマートフォンは、使わない時は画面をスリープモードにしておくことが基本だ。それに対して、Echo Showシリーズを含むスマートディスプレイは、画面は常時表示していることが前提となる。さらに、スマートスピーカーと同様にボイスコマンド(ウェイクワード)も、マイクミュートボタンを扱わない限りは常時待ち受ける。
Echo Showシリーズでは、Amazonの音声エージェント「Alexa(アレクサ)」による音声操作の他、タッチパネルによる操作もできる。Alexaを通してニュースや天気予報を確認したり、レシピを検索したりすることも可能だ。スマート照明などAlexa対応のスマートホーム機器のコントロールにも対応する。
Echo Show 15のAlexaでは、「Amazon Prime Video」「Netflix」「ひかりTV」など主要な動画配信サービスの動画も視聴できる。スマートフォンのAlexaアプリやスマートディスプレイとの間でのビデオ通話も利用できる。ステレオスピーカーを内蔵しているので、大画面も相まって、設置場所を「ミニシアター」みたいにすることも可能だ。
このスピーカーは、「Amazon Music HD(ロスレス対応)」「Apple Music」「Spotify」などのストリーミング再生をする際にも役立つ。家庭内にAlexa対応のスマートスピーカー/スマートディスプレイが複数ある場合、複数の部屋で同じ楽曲を同時に鳴らす「マルチルームミュージック」も利用可能だ(※1)。
Echo Show 15は、Bluetoohを使った音声出力だけでなく音声入力にも対応している。Echo Show 15で流す動画や音楽をBluetoothスピーカーで流すことはもちろん、スマホやタブレットに入れてある音楽をEcho Show 15で鳴らすこともできる。
(※1)マルチルームミュージックに対応しないスマートスピーカー/スマートディスプレイもあります。詳しくは利用しているスピーカーやディスプレイの取扱説明書やサポートサイトを参照してください
なお、Echo Show 15は、スマホやPC、ゲーム機などの画面を入力する機能、具体的にはHDMI入力端子やMiracastには“非対応”となっている。外部ディスプレイ的な利用ができない点は注意が必要だ。
Amazonは、Alexa製品に共通するコンセプトとして「アンビエント・コンピューティング(Ambient Conputing)」を掲げている。言い換えれば、ユーザーがコンピュータを能動的に使うのではなく、コンピュータがユーザーに合わせて情報を提案するという思想に立っている。
スマートスピーカーやスマートディスプレイの場合、エージェント(EchoシリーズならAlexa)のサービスが常時待機していて、ユーザーの声かけに応じて情報を提示したり、時にはシーンに合わせた情報をおすすめしたり、条件に応じて家電などを自動で操作したりもする。
こうしたアンビエント・コンピューティングの設計思想のもと、AmazonはEcho Show 15を「一家のまとめ役、家族の中心となるように設計した」(フレスコ氏)。リビングのような家族の共有スペースに設置して、家族間の情報ハブとなるような機能を持たせたという。
15.6型というサイズ感については、共有型のスマートディスプレイの最適解を追求する中で決まったものだという。フレスコ氏は家庭内に置いたときの存在感の大きさや、動画などを表示したときの迫力、そして製造・販売コストなどを勘案した結果、このサイズ感に至ったと説明した。
個人の識別は、音声認証「Voice ID」と顔認証「Visual ID」の2つで行える。家族の共有情報と個人の情報、それぞれを同時に扱えるように工夫されている。プライバシーへの配慮として、任意のタイミングでマイクやカメラの機能をオン/オフできるボタンを備えている他、カメラを物理的に覆えるカメラカバーも備えている。
アンビエント・コンピューティングや個人の識別をオンデバイスで実現するには、AI処理能力の高いチップが必要となる。そこでEcho Show 15では、Amazonが自社開発した機械学習プロセッサー「Amazon AZ2」を搭載している。ただし、現時点では日本語の音声はオンデバイス処理はできず、いったんインターネットでサーバにアクセスして処理するようになっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.