液晶ディスプレイはノングレアタイプの15.6型で、 1920×1080ピクセルのフルHD表示に対応する。画素密度は147ppiだが、Webブラウザやメールを利用する分には問題なく、スリムベゼルを採用しており、画面がとても広く感じる。
ディスプレイ上部には、720p対応のWebカメラを内蔵し、ビデオ通話やオンライン授業を受ける分には十分だろう。プライバシーシャッターも付いているので、これを閉めておけば不意にカメラがつながったとしても、プライバシーを保つことができる。
キーボードはテンキー付きの日本語103キーで、キーピッチは公称/実測ともに約19mm、キーストロークは実測で2mm程度あるので文字入力しやすい。触り心地もよく、キートップが適度にざらざらとした指触りがあり、滑ることなくしっかりとタイプできる。
標準でテンキーが用意されており、表計算などで数字入力が必要となった場合でも対応可能だ。ただし、キーピッチが13mm程度の「ネイルチップテンキー」となっている。独特なサイズゆえ慣れが必要で、テンキーとEnterキーの間に適度なスペースがなくタイプミスを誘発しがちなのは気になるが、テンキーがあるおかげでタッチパッドがキーボードのホームポジションから大きくズレておらず、違和感を覚えずに使えるようになっているのはメリットだ。
マルチジェスチャー操作をサポートしたタッチパッドもサイズにゆとりがあり、使い勝手も良好だ。左右のクリックボタンは独立していないが、下部にあるクリックエリアはペコペコした印象もなく、しっかりとしたクリック感を得られる。
さらにタッチパッドの右上にあるオレンジのキーボードアイコンを長押しすると、テンキーとしても使うことができる。同社では「フロストパッド」と呼び、キー操作に慣れていない人でも扱いやすいとしている。
ここからは、ベンチマークテストで本機の実力を見ていこう。
CPUは4コア4スレッドのCeleron N5100(1.1GHz〜2.8GHz)で、メモリは4GBと非力だが、CPU内蔵GPUはIntel UHD Graphics(実行ユニットは24、最大800MHz)となる。
最初に行ったCINEBENCH R23では、Multi Coreが1485pts、Single Coreが599ptsだった。最新の第12世代Coreプロセッサには及ぶべくもないが、Webブラウズやメールのやりとり、YouTubeの鑑賞などは難なくこなせる。ただファンレス機ゆえに、システムに高い負荷を掛ける場合は利用場所に気を配りたい。今回のテストは室温21度の部屋で行ったが、本機をベッドの上などにじかに置きながらCINEBENCHを実行すると、スコアが半減近く下がる場合もあった。
続いて、PCの総合的な性能を測るPCMark10を実施した。比較対象として、筆者が所有しているノートPCと比較している。スペックはCPUが第7世代Core i5-7200U(2コア4スレッド、2.5GHz〜3.1GHz)、メモリが4GB(LPDDR3 SDRAM)という具合だ。5世代前のCore i5なので比較対象としてはちょうどいいかもしれない。
PCMark 10のスコア比較 | ||||
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モデル名 | 総合スコア | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
VF-AD5 | 2170 | 5029 | 3277 | 1710 |
比較対象ノートPC | 1767 | 4028 | 2526 | 1473 |
この2台についてPCMark10を実行して得た結果が上記の表だ。全てのテストでVF-AD05が上回っており、このあたりは製造プロセスやコア数の差などが大きく影響したのだろう。
試しに「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」ベンチマークをテストしたところ、1280×720ピクセル/標準品質(ノートPC)/フルスクリーンモードではスコアが1692で「設定変更を推奨」となった。ゲームプレイについてはあまり期待をせず、カジュアルなタイトルが遊べる程度と考えておいた方が無難だ。
本機を普段使いで利用したところ、ファイルサイズが大きいZipファイルを解凍するときには時間がかかったり、Webブラウザのタブを多数開くと動作が重くなったりする。ただし、日常的にニュースサイトをブラウジングして回るとか、Gmailをチェックする、ネットショッピングをする、ビデオ通話(Zoomのバーチャル背景やアバター機能は利用できない)で会話をする程度であれば、特に不満を感じるところはない。
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