Intelは5月10日(米国太平洋時間)、モバイル(ノートPC)向け新型CPU「第12世代Core HXプロセッサ」を発表した。同CPUを搭載するノートPCは、主要なPCメーカーから順次発売される。
第12世代Core HXプロセッサは、第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)の追加ラインアップとして登場する。モバイル向けの最上位である「Hプロセッサ(シリーズ)」のさらに上位に位置する製品として、モバイルワークステーションやエンスージアスト(求道者)が使うゲーミングノートPCへの搭載が想定されている。
Intelによると、Core HXプロセッサはデスクトップ向け製品(Alder Lake-S)をモバイルパッケージに収めたものだという。そのこともあってか、従来のモバイル向け製品とは異なり、約45(横)×37.5(縦)mmのBGAパッケージを採用している。そのため、これまでのモバイル向け製品のマザーボードの設計は流用できない。
第12世代Core HXプロセッサは「類を見ないモバイルパフォーマンス」を備え、「世界で一番のモバイルワークステーション向けプラットフォーム」であり、「技術者、科学者やエンスージアストのために作られた」CPUだというそのこともあってか、第12世代Core HXプロセッサはデスクトップ向け製品に近い仕様となっている。主な特徴を挙げると以下の通りだ。
Pコアの数が従来よりも多く、CPU直結のPCI Express 5.0バスも用意したせいか、内蔵GPUのパフォーマンスは従来のモバイル向け製品より“貧弱”である。搭載が想定されるPCでは外部GPUを搭載する可能性が高いための“割り切り”でもあるようだ。
消費電力は通常時で55W、Max Turbo Powerを適用した場合は最大157Wとなる。モバイル向けと考えると、かなりの“大食らい”となる。
「PCI Express 4.0/5.0接続のSSDを4基(4レーン×4)」「128GBのDDR5メモリ搭載(ECCモジュールにも対応)」「独立したThunderbolt 4ポートを2系統」という構成のモンスターノートPC(モバイルワークステーション)も構築できる問題は、そのパフォーマンスだ。Intelによると、最上位製品の「Core i9-12900HX」と前世代の最上位製品「Core i9-11980HK」(3.3GHz〜5GHz、8コア16スレッド)と比較するとシングルスレッド性能は最大17%、マルチスレッド性能は最大で64%向上するという。利用するアプリによっては、2倍を超えるパフォーマンス改善を図れるようだ。Eコアを併載することで、バックグラウンドに回ったタスクの処理パフォーマンスの改善もできたという。
米国の非営利組織「SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation)」のベンチマークテスト「SPEC CPU 2017」を使ってCPUのシングルスレッド/マルチスレッドのテストをした結果。モバイル向け製品としては最高峰の性能を確保している(消費電力はさておく)
SPECが作ったワークステーション向けベンチマークテスト「SPECworkstation 3.1」のCPUテストを実行すると、シナリオによってはCore i9-11980HKの2倍以上のスコアを記録するという
Core i9-12900HXのシステムにGeForce RTX 3080 Ti Laptopと64GBのDDR5-4800メモリを組み合わせると、ご覧のような最大フレームレートを実現できるようなのだが、肝心の解像度が明記されていない(恐らくフルHDだと思われる)第12世代Core HXプロセッサのラインアップは以下の通り。「★」印が付いている製品は「Intel vPro」とECCメモリ対応で、「☆」印が付いている製品は「無制限のコアオーバークロック」(恐らくEコアのアンロックという意味)にも対応する製品となる。
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