ITmedia PC USERを含めて、PCを取り上げるメディアでは、あるPCの“側面”を捉える手段の1つとしてベンチマークテストを行うことが多い。筆者も、PCのレビュー記事を執筆する際は、基本的にベンチマークテストを実施している。
ベンチマークテストアプリの中には、自社計測した「リファレンス」のスコア、あるいは多くのユーザーが計測した結果から求めた「平均」のスコアを公表しているものがある。しかし最近、自分がアプリで計測した結果と、リファレンス/平均スコアが“乖離(かいり)”することが多くなった。
このような乖離は、メーカーあるいはモデルごとのチューニングの方針が原因で生じるケースがほとんどである。このことは、過去にIntelがCPUの説明会で解説しているが、AMD製のCPU/APUを搭載するPCでも同様に当てはまる。
このチューニングの鍵を握るのが電源設定だ。今回は、レノボ・ジャパンのThinkPad X1 Carbon Gen 10(21CB-S00T00)を使って、どのくらいの違いが出るのかチェックしてみよう。
現在、ビジネス向け(業務用)の一部を除いて、多くのPCではOSとして「Windows 11」をプリインストールしている。一部、独自のユーティリティーソフトを使ってパフォーマンスを調整するモデルもあるが、ほとんどのPCではWindowsの電源設定とパフォーマンス設定を連動させている。
一部、モデルによってはカスタマイズされている可能性もあるが、Windows 11をプリインストールするノートPCは、以下の電源設定がプリセットされている。
名前からも察しは付くが「トップクラスの電力効率」は消費電力を抑制する設定、「最適なパフォーマンス」は処理パフォーマンスを優先する設定、「バランス」は両者の中間の設定である。標準設定はバランスだ。
Windows 10では、タスクバーの電源アイコンをクリックするとスライドで電源設定を切り替えられたが、Windows 11ではその機能が用意されていない。設定の「システム」内にある「電源とバッテリー」の「電源モード」から切り替えるようにしよう。
なお、より詳細な電源設定を行いたい場合は「コントロールパネル」から行える……のだが、標準では非表示となっている。コントロールパネルの電源設定にアクセスする手順は以下の通りだ。
一般的なWindows 11 PCでは、電源プランは「バランス」のみ用意されている。自分で電源プランを作りたい場合は、電源オプションのウィンドウにある「電源プランの作成」から行える。今回はプリセットされた設定でパフォーマンスの差をチェックしていくので、説明は割愛する。
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