先述の通り、一般的なWindows 11 PCでは、設定画面からアクセスできる電源設定は「トップクラスの電力効率」「バランス」「最適なパフォーマンス」の3種類である。これらのうち、標準設定のバランスと、一番パフォーマンスを発揮できる(はずの)最適なパフォーマンスの2種類を切り替えつつ、「CINEBENCH R23」と「PCMark 10」の2種類のベンチマークテストを実行してみよう。
なお、今回テストで用いたThinkPad X1 Carbon Gen 10(21CB-S00T00)の主なスペックは以下の通りである。なお、全てのテストは65W出力の外部電源を接続した状態で行った。
。メインメモリ:16GB LPDDR5(デュアルチャネル構成)
「CINEBENCH R23」は、3Dレンダリングを通してCPUの処理性能を確認できるベンチマークテストアプリだ。全コアを使った「マルチ」テストと、1コアを使った「シングル」テストの2種類が用意されており、サーマルスロットリング(発熱を抑制するための性能低下)やシステムの安定性をチェックするために同じテストを10分、または30分繰り返す設定も可能だ。
今回は、サーマルスロットリングの確認を目的とする10分の繰り返しテストを実行する。10分間で可能な限りテストを繰り返し、10分経過時点で進行しているテストのスコアが正式なスコアとして提示される。
まず、標準の「バランス」設定で計測した結果を見ていこう。
シングルコアのスコアは、第12世代Coreプロセッサの特徴をしっかりと引き出せているように思えるが、マルチコアのスコアは「もうひと声」と言いたくなるような値である。
これを「最適なパフォーマンス」に切り替えてみるとどうだろうか。スコアは以下のように変わった。
MPレシオ(シングルコアスコアとマルチコアスコアの倍率)は少し下がってしまったものの、絶対的なスコアは確実に向上している。念のため、それぞれの電源設定で何度かテストを繰り返し実行したが、スコアの傾向に変化は無かった。
CPUコアのパワーを少しでも引き出したいなら、電源設定をサクッと変えることは「有効」といえそうである。
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