20組の小中学生と保護者が組み立てにチャレンジするのは、先述の通りLIFEBOOK WU2/F3である。2021年10月に発売されたUHシリーズの直販モデルで、一部の構成をカスタマイズできるようになっている。20組が組み立てる構成は以下の通りだ。
直販サイトで同様の構成とした場合、税込み標準価格は14万2280円(※1)となるが、この教室に参加すると8万9800円とかなり値引きされる。メインメモリの容量はさておき、普段小中学校で使っている学習用端末よりもハイスペックであろうノートPCを、この価格で手に入れられるとあれば、教室への参加者が多くなるのは“当たり前”なのかもしれない。
なお、希望者は参加費に1万6000円をプラスすると「Microsoft Office Home & Business 2021」のライセンスを追加できる。通常は2万4200円プラスであることを考えると、これも手頃である。
(※1)8月24日14時まではセールで10万9555円
LIFEBOOK WU2/F3には、大小222点の部品が使われている。島根富士通のスタッフは、この222点の部品を約13分で組み立てるという。1時間で5台弱、2時間10分で10台組み立てられる計算だ。
しかし、小中学生と保護者が“全く”同じように組み立てると、どれだけ時間があっても足りない。そこで組み立て教室では、大半の部品をある程度組み付けた状態にしておき、43点の部品を90分(+10分間の休憩)で組み立てるという構成とした。
工程の数こそ約5分の1に削減されているが、大人でも(むしろ大人だからこそ)難儀する工程もある。難しい工程を何とか乗り越えることで、もの作りの楽しさや重要さを体感できるという寸法である。
教室(会場)の机には、エプロン、各種工具、ねじキット、ドライバー、ネジ締め練習キット、小物部品と作業確認用のタブレットPC(FMV LOOX)など、必要なものがあらかじめ設置されている。大きなドライバーは、握り手のサイズが異なる「子ども用」と「大人用」が用意されており、“親子で”作業しやすい環境作りがなされている。
組み立てにおいて困った時は、テーブルに備え付けられたFMV LOOXを使って島根富士通の「匠(たくみ)」を呼び出して質問したり組み付けを手伝ってもらったりすることもできる。この仕組みは実際に工場でも使われており、しっかりと「工場体験」ができるようになっている。
なお、一緒に組み立て体験をするメディアは、会場の模様を取材しつつ組み立て作業を行うことになる。しかも、PC USER(筆者)は“1人で”これをこなさなければならない。「PC関連メディアの記者だから大丈夫でしょ?」と思う人もいるかもしれないが、さすがにバラバラになったノートPCを組み立てるという経験はめったにない。
メディアも「応援」ボタンをつかえるようにはなっているのだが、これを使うことになるのか、ならないのか……?
今回の組み立て教室は、FCCLの大隈健史社長が就任してから初めて行われるものである。そのこともあってか、小学生とその保護者、そしてメディアに加わる形で大隈社長もLIFEBOOK WU2/F3を組み立てることになった。
2021年10月に掲載したインタビューにもある通り、大隈社長は現場を大切にする思いが強い。個人的にもPCいじりが趣味とのことで、ノートPCの組み立てもお手のもの……と思いきや、ノートPCの“組み立て”をすることは初めてだという。筆者は何となくホッとした。
今日の組み立て教室を「個人的にも非常に楽しみにしていた」という大隈社長。参加する同志たち(小中学生、保護者や我々メディア)に「リラックスして楽しんでいきましょう」と声をかけていた。
ここから、実際の組み立てに入っていくことになる……のだが、筆者を含めて参加者にさまざまな“試練”が降りかかることになる。その模様は、次回の記事でご紹介したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.