IntelとBroadcomは9月9日(米国太平洋夏時間)、規格の策定作業が進められている次期無線LAN規格「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」の相互接続テストに成功したことを発表した。規格策定後に行われるWi-Fi Allianceによる認証テストの試験台となることを想定しており、現行の「Wi-Fi 6/6E(IEEE 802.11ax)」と比べて高速かつ遅延の少ない通信を確認できたという。
Wi-Fi 7は、無線LANの次期通信規格として現在米IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)において規格の策定作業が進められている。現行のWi-Fi 6/6Eをさらに高度化した規格で、主に以下の特徴を備えている。
帯域幅の拡張と変調方式の変更により、理論上の最高通信速度はWi-Fi 6/6Eの9.6Gbpsから46Gbpsに引き上げられる(いずれも8×8 MIMO構成で最大の帯域幅を確保した場合)。
低遅延も相まって、Wi-Fi 7が実用化されればAR(拡張現実)やVR(仮想現実)コンテンツをよりスムーズに使えるようになる他、高解像度のストリーミング動画の再生やゲーミングなど、あらゆる分野における通信の快適さが改善されるという。
IntelとBroadcomの両社が行ったテストは、先述の通りベンダーを超えた相互運用性の確認を目的としている。テストではDell Technologies製ノートPC「Latitude 5430」に以下のIntel製無線LANアダプターを接続し、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6E、Wi-Fi 7におけるスループット(実効通信速度)を計測した。
接続先のWi-Fiルーターは、Wi-Fi 6/6EがASUSTek製の「ROG Rapture GT-AXE16000」、Wi-Fi 7がBroadcomが開発した「Broadcom Wi-Fi 7 Tri-band AP」である。
今回はWi-Fi 7の特徴のうち「帯域幅最大360MHz」「4KQAM」の2点のメリットをチェックするもので、Wi-Fi 6(5GHz帯/80MHz幅)では最大1Gbps程度、Wi-Fi 6E(160MHz幅)では最大2Gbps程度だったものが、Wi-Fi 7(320MHz幅)では5Gbps超の実効速度を確認できたという。
両社では後日、MRUとMLOに関するデモも公開することにしている。
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