その一方、メディアプレイヤーに関してはデフォルト設定だけでなく、設定可能なアクションからもなくなってしまっている。これはユーザーの視聴環境がネットワーク経由のブラウザベースに移行し、Windows Media Playerのようなメディアプレイヤーの利用が減少したことが要因の1つだろう。
なお、工場出荷時の設定ではファンクションキー単体でメディアキーとして動作し、Fnキーとの同時押しでファンクションキーとして動作するが、Fn+Escで切り替えることができる。これは一般的なノートPCでも共通の操作で、一度操作すると電源をオフしても維持される。Fnキーとの同時押しに煩わしさを感じている人は試してもらいたい。
他にも、Windowsキーのキートップはスタート/optに、Altはalt/cmdに変更されている。これはWindowsを利用している限りでは変わりはないものの、対応環境にMacが追加されたことを受けてのことだろう。
Windows特有で、かつ、利用頻度が低いと思われる右クリックメニューのボタンは廃止され、代わりにAltが追加されている。他にBack Spaceがback、Insertがins、Deleteがdelに省略されるといった細かい印字の変更がある。キートップをすっきりさせる傾向なのかと思ったが、pg up、pg dnに関しては逆にpage up、page downと長い表記に変わっているようだ。
K835の右上部分にはScroll LockとCaps Lockのインジケーターがあったが、K855では「logi」ロゴのみだ。Caps LockのインジケーターはCaps Lockキーに移動し、Scroll Lockのインジケーターは廃止されている。Scroll Lockキーが単体ではなく、Fn+Homeで入力する点は変わらない。
また、Print Screen、PauseはFnキー同時押しでも定義されておらず、入力する場合はLogi Options+でスクリーンキーボードや、別のキーボードを使ってF4〜F12のメディアキーにキーボードショートカットとして追加する必要がある。利用頻度は低いかもしれないが、キーを配置するだけのスペースはあるのでPrint Screen、Scroll Lock、Pauseの3キーがあってもよいように感じた。
では、MX MECHANICAL MINIとの比較はどうだろうか。MX MECHANICAL MINIはMasterシリーズのメカニカルスイッチであり、価格も直販で2万1120円と、ロジクールのキーボードでは最高級クラスになる。
MX MECHANICAL MINIのサイズは約312.6(幅)×131.55(奥行き)×26.1(高さ)mm、重量は約612gと、K855よりも一回り小さい。高さ方向についてもロープロファイルを採用しており、K855の約38.8mmに対して26.1mmとかなり抑えられている。
キーストロークも約3.2mmと、4mm±0.4mmのK855に比べると浅く、メカニカルスイッチにしては静かめの入力音だ。同じテンキーレスではあるが、K855がフルキー部とテンキー部の間にあるカーソルキー、および機能キーを(一部を除いて)そのまま備えているのに対し、MX MECHANICAL MINIではEnterキーの下および右隣に押し込んでいる。省スペース性はMX MECHANICAL MINIに軍配が上がるが、その分、K855の方が素直なキー配置となっている。
また、さまざまなイルミネーションのバリエーションを持つバックライトもMX MECHANICAL MINIの高級感を演出する特徴の1つだが、バックライトはどうしても消費電力の増加に繋がる。内蔵バッテリーを採用したMX MECHANICAL MINIに対し、K855はバックライトがない代わりに単四形乾電池2本で最大36カ月の稼働を可能にしているとも言える。
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