日本HPから登場した「HP Elite Dragonfly G3」は、従来の2in1タイプからクラムシェルタイプに変更することで、13.5型と画面を大型化しつつ、約1kg〜1.22kgの薄型軽量ボディーを維持したビジネスモバイルPCだ。Intel最新の第12世代Coreプロセッサを搭載するとともに、ハイブリッドワークを強く意識した高い機能を備え、Intelが最高の体験ができると認めるIntel Evoプラットフォーム(第3版)の認定も取得している最先端モデルでもある。
日本HPの直販サイト「HP Directplus」では、スペックが異なる6種類の海外生産モデル(この他に、スペックをカスタマイズできる東京生産モデルもある)を用意しているが、今回はその中から5G通信機能を備えたハイスペックモデル(6H164PA#ABJ)をベースとした評価機を入手したのでレビューしよう。
まず、深みのあるブルー(スレートブルー)のボディーの存在感が抜群である。上質でありながら重厚すぎず、道具としてなじむ独特の存在感をたたえており、AppleのMacBookシリーズや日本マイクロソフトのSurfaceシリーズに匹敵するようなクオリティーに達している印象だ。
ボディーの素材はマグネシウム合金を利用する。CNC削り出しで成形され、摩耗に強い表面加工がなされており、エタノールを含む家庭用クリーナーシートで約1000回ふいても耐えるという。加えて、米軍調達基準のMIL-STD-810Hのテストをクリアする頑丈さも兼ね備えている。
ボディーサイズは約297.4(幅)×220.4(奥行き)×16.4(厚さ)mm(最薄部、突起部含まず)で、評価機の重量は公称値で約1.15kg、実測で1.154kgだった。スリムでフラットなフォルムゆえブリーフケースタイプのバッグにもすんなりと収まり、身軽に持ち運ぶことができる。
バッテリーの容量は45Whとなる。モバイルノートPCとして標準的な容量をしっかり搭載している。公称の駆動時間はMobile Mark 2018で最大約12時間45分、JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver.2.0の数値は約14時間32分だ。
なお、海外生産モデルのラインアップには68Whの6セルバッテリーを搭載した長時間駆動モデル(重量約1.22kg)も用意されている他、東京生産モデルでは最軽量時で約1kgとなるモデルも選べる。
標準で付属するACアダプターは65W仕様だ。容量50%まで約30〜45分、90%まで約90分で充電できる急速充電に対応している。両側面にあるUSB Type-C(Thunderbolt 4対応)端子は、どちらも充電端子として利用可能だ
CPUは、Intel最新の第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)を採用している。この世代ではCPUの内部構造を大きく変え、性能優先のPコアと電力効率優先のEコア、2種類のコアを最適に使い分けることで、電力効率を維持しながら、性能を大幅に底上げしている。
本機が搭載するのは、PBP(Processor Base Power)15WのCore i7-1255Uだ。Pコアが2基、Eコアが8基で合計10コア12スレッド、最大周波数4.7GHzというモデルだ。Pコアは2基ながらも、PCメーカーの熱設計次第では従来の6コア12スレッドと同等以上のパフォーマンスを発揮することができるようになっている。実際のパフォーマンスは後ほど検証しよう。
メモリはLPDDR5を32GB搭載する。LPDDR5は原則オンボード搭載のため増設や換装はできないが、十分な容量だろう。ストレージは容量512GBのPCI Express SSDだ。
続いて、インタフェース回りをチェックする。
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