ベンチマークテストの結果を掲載する。評価機の構成は、CPUにCore i7-1255U、メモリが32GB、ストレージが512GB(PCI Express 3.0 x4)、グラフィックス機能がCPU内蔵のIntel Iris Xe Graphics、OSが64bit版Windows 10 Pro(Windows 11のダウングレード権を利用)という構成だ。
比較対象として、Ryzen 5 5660U(6コア12スレッド)を搭載ノートPC(マウスコンピューター「mouse X5-R5」)、約4年前の旧世代ビジネスPCのスコアも掲載した。
CINEBENCH R23のCPUスコアではRyzen 5 5660U搭載機に少し劣るものの、他のテストでは軒並み優位に立っている。CINEBENCH R23はほぼCPUの性能がストレートに反映するテストであるが、実際のアプリケーションではキャッシュやメモリ、グラフィックス性能、ソフトウェアの最適化など総合的な要素が反映される。その点で本製品の方が優れているということだ。
なお、PCMark 10ではProductivityのスコアが落ち込んでいる。これはタッチパネル搭載機に共通する傾向なので気にする必要はないだろう。
バッテリーのテストについては、PCMark 10のテストは何度試みても途中終了してしまった。そこで、画面輝度最大でHuluのアニメコンテンツを連続再生していたところ、残量99%から6%になるまで、5時間49分駆動した。ビジネスアプリでの実動であれば、Intel Evoプラットフォームの要件(9時間以上)以上には余裕を持って駆動できるだろう。
静音性や熱設計は、非常に優秀だ。アイドル時が静音であるのはもちろん高負荷時でも静音で動作する。システムに負荷を掛けるとキーボード奥側を中心に発熱するが、パームレストは体温以下に保たれている。性能をしっかり出しながら快適度を損なっていないのは見事といえる。
HP Elite Dragonfly G3の魅力は、質感の高さが際立つ薄型軽量ボディーとIntel Evoプラットフォームに準拠する最先端の仕様だ。パフォーマンスやレスポンス、高画質カメラや高音質マイク/スピーカーなど、Intel Evoプラットフォームが担保する要素を極めて高いレベルで満たす。5G通信機能を搭載しており、場所を問わず、高速通信ができるのも強みだ。さらに静音性、気になる発熱の処理といった運用中の使用感も優秀で、極めてレベルの高い仕上がりといえる。
直販サイトでの販売価格は44万7700円(税込み、送料別)と高価な製品ではあるが、ハイブリッドワーク時代のビジネスモバイルの集大成といえる存在だ。しかも現状のキャンペーン(限定1000台)を適用すれば、同26万3780円となっている。ハイブリッドワークを推進するビジネスパーソンならば、検討する価値は大いにあるだろう。
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