2022年9月に、Windows 11としては初の大型アップデートとなる「Windows 11 2022 Update(22H2)」の配信が開始され、既に適用を済ませたユーザーも少なくないだろう。一方で、「セーフガードホールド」に見られるように、順番に対象デバイスが拡大されていく「ローリングアップデート」方式のみならず、デバイス固有の問題から一時的に配信がストップされている事例もあり、まだ大多数の移行にはしばらくの時間がかかるとみられる。
こんなWindows 11の最新アップデート事情だが、10月18日(米国時間)には「Tabbed File Explorer」や「Taskbar Overflow」といった新機能追加が行われ、11月29日(米国時間)には「KB5020044」で配信されるアップデート(Build 22621.900)によってさらなる機能追加が行われている。
以前にも過去の記事で触れたが、Windows 11では10の時代と比較して大型アップデートの提供サイクルが変更されている。従来は年2回(もともとは3回または不定期だった)とされていたが、2022年のタイミングで10と11ともに「年1回」とされた。
Microsoftではそれ以上の情報について公式では触れていないが、Windows Centralのザック・ボーデン氏などは「来年提供が予定されていた『23H2』はキャンセルされ、実質的に年3回の大型アップデート提供になる」という情報を紹介している。
同様にボーデン氏は「代わりに年4回などの細かいペースで機能追加を行うアップデートを提供する計画があり、今後しばらくは3年ごとの大型アップデートと、こうした細かい機能アップデートの組み合わせになる」とも述べており、OSの頻繁なバージョンアップとサポート期間を気にすることがなくなるということだ。
だが、Microsoftに近い筋のコメントとしてこれに反論する意見もあり、公式情報が少ない現状では検証のしようがない。一方で、Bowden氏の説を補強するような情報も出てきており、このあたりの検証は今後数カ月で進んでいくだろう。
問題は、この「細かいペースで機能追加を行うアップデート」の正体だ。現在Microsoftは「大型アップデート」単位で機能を“まとめて”提供するのではなく、「“大型アップデート”など1つのサイクルで提供する予定の機能を、時期を小分けにしてユーザーに配信していく」というスタイルを採っている。
結果として、9月のアップデートよりも見た目的には10月のアップデートの方が機能的に変更点が多くなり、前述のBowden氏のコメントにあるような「年4回」方式に沿った動きのように思えるものとなっている。
10月のアップデート配信のタイミングでMicrosoftが触れているが、例えばPhotoアプリなどは11月にかけて“順次配信”といったように、ローリングアップデート方式を採用しており、一律とはなっていない。
「Delivering continuous innovation in Windows 11」の説明によれば、Windows 11のアップデートは下記の形式で配信されることになると述べており、特にPhotoアプリのような配信は「CFR(Controlled Feature Rollout)」という形で徐々に浸透していく形態になるようだ。
気になるのは説明の原文にある「See new features more frequently than in other versions of Windows」というフレーズだが、このアップデートの位置付けだ。ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏は「Week C」などと呼んでいるが、同氏は「定期的に配信される非セキュリティアップデート」と考えている。基礎知識的なものになるが、Microsoftでは「定期配信されるQuality Updates」として下記の2つを定義しており、後者が主に「Bリリース」と呼ばれるもの、前者が「Cリリース」と呼ばれるものとなる。
Bリリースはいわゆる「Patch Tuesday」で、基本的に毎月第2火曜日(米国時間)に配信が行われるセキュリティ系アップデートだ。ジョー・フォリー氏が「Week C」と呼んだのはCリリースにあたり、説明によれば「前月に『C Preview Release』として出されたもの」の一般向け配信で、基本的には「Windows Updateで選択することで導入されるオプション的なアップデート」という位置付けとなる。
配信タイミングについては明言されていない。また緊急の脆弱(ぜいじゃく)性対応を含めた不定期アップデートとして「OOB(Out Of Band) Release」が定義されているが、毎月の定期アップデートとしてはBリリースとCリリースが中心となる。
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