まずは3Dの性能を測定する3DMarkによりベンチマークテストを実施した。TDPは28Wの設定だ。こちらについては以前紹介した「ONEXPLAYER mini」と比較していきたい。その結果が下のグラフだ。ONEXPLAYER miniはCPUにCore i7-1195G7を搭載するが、CPUに加え内蔵GPUの差が大きく、ほぼダブルスコアと言ってもいいほどの結果となった。
続いてテストしたのが「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」だ。こちらもONEXPLAYER miniと比較してみたい。その結果が以下のグラフになる。先ほどの3DMarkの結果と同様に、本機が大きくリードしている。
一方、TDPによってどれだけ性能が変化するのか、標準品質/1280×720ピクセルで測定したのが下の結果だ。画面解像度を落としたこともあるが、TDP 10Wでも「やや快適」というスコアとなっている。TDPを下げれば駆動時間も長くなるので、このあたりは参考になるだろう。
なお比較的処理が重いタイトルの1つである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」では、TDP 28W/1920×1080ピクセルでテストした。軽量品質と標準品質では「普通」、高品質では「重い」という結果になった、標準品質で十分に遊べるのは喜ばしいところだ。
最後に、バッテリーの動作時間をPCMark 10 Battery Profileでチェックした。今回はゲームでの利用を想定してGamingで実施し、TDPは10W/15W/20W/28Wに変更して行っている。
結果を見ると、TDP 28Wの場合はさすがにバッテリーを消費するため1時間程度になったが、15Wであれば1時間42分という結果だ。
先ほどテストしたファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークなどを参考にすると、TDP 15W程度でも十分プレイできるスコアだったので、このあたりのTDPを維持しつつプレイすれば、モバイルバッテリの併用しつつゲームのクオリティーを保ちながら長時間のバッテリー駆動も期待できるだろう。もちろん、通常のWindows PCとしてビジネス用途で使うならば、さらに長時間動作する。
ここまで見てきたように、Ryzen版はCPUとGPUのパワーアップもあって、これまでよりも多くのタイトルをスムーズに楽しめるようになったのが分かった。ポータブルゲーム機としてもはもちろん、ONEDOCKINGを使って超小型デスクトップPCのように活用できるのもうれしい。
Steam DeckなどポータブルゲーミングPCは続々と新モデルが投入され、競争が激化している。価格も高くなりがちだが、本機は16万円台で購入できるモデルもある。小型でいつも持ち歩けるゲーミングPC、たまに仕事でも使うという人なら、選択肢に入れてもよいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.