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Microsoftは2月16日(米国太平洋時間)、ArmアーキテクチャのSoC向けの「Windows 11」(以下「Arm版Windows 11」)について、Parallelsの仮想PCアプリ「Parallels Desktop 18 for Mac」上での動作を正式サポートしたことを発表した。Parallelsも同日、Microsoftによる正式サポートを得た旨を公表している。
仮想PCを介する形にはなるが、Qualcomm製“ではない”ArmアーキテクチャのSoC(CPU)におけるArm版Windows 11の稼働の公式サポートは、本件が初めてとなる。
Microsoftのサポート情報
Parallelsの告知
Parallels Desktop 18 for MacにおいてArm版Windows 11を稼働するには、以下のものを全て用意する必要がある。
- 4GB以上のメモリと600MB以上の空きストレージのあるApple Silicon搭載Mac
- 仮想PCの構築には、メモリとストレージの空き領域が別途必要
- Parallels Desktop 18 for Macのライセンス
- 既にインストール済みの場合は「バージョン18.2」以降に更新しておく
- 有効な「Windows 11 Pro」または「Windows 11 Enterprise」のライセンス
- 正式サポート前に構成したArm版Windows 11の仮想PCは引き続き利用可能
- 「Windows 11 Home」はサポート対象外(※1)
- Windows 11 Proのライセンスは「パッケージ版」でも問題ない(※2)
(※1)正式サポート前に「Windows 11 Home」の仮想マシンを利用していた場合は、ライセンスを「Windows 11 Pro」のものに切り替えればサポート対象となる(参考記事)
(※2)別のPCで利用していたライセンスを引き継いで使う場合は、以前のPCにおけるライセンスを削除する必要がある(通常は新しいPCでアクティベーションすると自動的に削除される)
個人ユーザーが使う場合、正式サポートの対象となるのは「Windows 11 Pro」のみとなる。ライセンスはオンラインコード版(プロダクトキーのみの配信)を含む市販のものを使おう。既にWindows 11 Homeで利用している場合は、プロダクトキーまたは「Microsoft Store」でのライセンス購入でWindows 11 Proにアップグレードすればサポート対象となる
なお、Parallels Desktop 18 for Mac上でArm版Windows 11を使う場合、以下の機能上の制約がある。
- Arm版Windows 11全般に共通する制約(主要なもの)
- 「Amazonアプリストア(Windows Subsystem for Android)」を利用できない
- 「Windows Subsystem for Linux」を利用できない
- 「Windowsサンドボックス」を利用できない
- 「仮想化ベースのセキュリティ(VBS)」を利用できない
- 「DirectX 12」を利用できない
- 「OpenGL」は利用できるが、OpenGL 3.3以上には非対応
- 「アンチチートプログラム(不正防止機能)」を組み込んだゲームは実行できない(※3)
- ハードウェア(Apple M1/M2チップシリーズ)の仕様に伴う制約
- Armアーキテクチャ向けの32bitアプリ(Arm32アプリ)を実行できない(※4)
(※3)Arm64向けに最適化されたプログラムを利用している場合を除く
(※4)Intelアーキテクチャ向けの32bitアプリ(x86アプリ)と64bitアプリ(x64アプリ)はエミュレーションにより実行可能(正常に動作しない場合もあり)
上記の制約を“回避”する方法として、Microsoftはクラウド上で稼働する仮想PCサービス「Windows 365」の利用も案内している。Windows 365はWebブラウザを介してApple Silicon搭載Macでも利用可能だ。
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