Intelは3月29日(米国太平洋時間)、投資家を対象とする「Data Center and AI Investor Webinar」を開催した。このウェビナーにおいて、データセンター向けCPUのロードマップに関する最新情報が公開されたので、簡単にまとめる。
Intelは2023年1月から「第4世代Xeonスケーラブルプロセッサ」(開発コード名:Sapphire Rapids)の出荷を本格的に開始した。
このプロセッサを改良し、同じ消費電力でよりパフォーマンスを高めたものが「Emerald Rapids(開発コード名)」である。今回、このEmerald Rapidsが「第5世代Xeonスケーラブルプロセッサ」と正式に位置付けられた。第4世代とCPUソケットは同一なので、CPUを置き換えるだけでよりパフォーマンスの高いサーバを構築できる。
サンプル出荷は既に開始しているそうで、正式な出荷は2023年第4四半期(10〜12月)に始まる予定となっている。
第4世代Xeonスケーラブルプロセッサ(Sapphire Rapids)の改良版であるEmerald Rapidsは、正式に「第5世代Xeonスケーラブルプロセッサ」と位置付けられた。2023年第4四半期の一般出荷開始を予定しているとのことで、予定通りに進めば1年足らずで“新世代”製品に置き換わることになるEmerald Rapids以降のデータセンター向けCPUは、処理能力を重視したパフォーマンスコア(Pコア)を搭載する「Rapids系統」と、処理効率(≒消費電力)を重視した高効率コア(Eコア)を搭載する「Forest」系統に“分岐”する計画となっている。
そのうち、Eコアのみを搭載する初めての製品となる「Sierra Forest(開発コード名)」については正式な出荷は2024年上期(1〜6月)に始まる予定で、サンプル出荷は既に始まっている。
このSierra Forestは「Intel 3(改良された7nmプロセス)」で製造される初めてのCPUの1つで、最大で144コア構成となる。Eコアオンリーとすることで、消費電力に優れるArmアーキテクチャのデータセンター向けCPUに対抗する。
一方、現状のデータセンター向けCPUの系譜を受け継ぐ「Granite Rapids(開発コード名)」についても、Sierra Forestに続く近いタイミング(2024年内)の正式出荷に向けて順調に開発が進んでいるという。
Granite Rapidsも、Sierra Forestと同様にIntel 3プロセスを使って製造される。コア密度の向上や、メモリや入出力回りのイノベーションも盛り込まれているという。
Granite Rapids/Sierra Forestの次世代CPUについては、既に開発の表明はされている。両者のうち、Sierra Forestの後継CPUの開発コード名は「Clearwater Forest」となるという。
Clearwater Forestは「Intel 18A」プロセスで製造される新CPUで、2025年の出荷を予定している。
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