PCMark 10とFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークでは、Armoury Crateで選べるモード別のテストも行った。ここでは、GPUモードは「スタンダード」を基本に、Turboモード時のみ「Ultimate」(NVIDIA Advanced Optimus解除)も試している。
PCMark 10では、そのUltimateモードの効果がてきめんで、Digital Content Creationのスコアが伸びている。
このようにOptimus解除が有効な場面はまれにあるので、Optimus解除ができるか否かはNVIDIA GPU搭載のハイエンドノートPC選びでは見逃せない要素の1つといえる。
モンスタークラスのスペックながら熱設計にも無理は感じられない。ボディー側面の排気口付近は熱くなっているが、手がよく触れるパームレストの発熱は完璧に抑えられている。ただ、左右側面の排気口からは45度近い熱風が吹き出してくるので、本体の左右に物を置かない配慮は必要だろう。
動作音については、Turboモードでは常に少しノイジーな印象がある。小さな負荷にも敏感に反応してファンが回り、高負荷時はかなり大きな音になる。
パフォーマンスモードでは、高負荷時の動作音はグッと下がり、負荷に敏感に反応することもなくなり、グッと快適になる。サイレントならば高負荷時も静音なまま利用可能だ。
同社直販の「ASUS Store」での実売価格は54万9800円(税込み、以下同様)となっている。持ち運びができるノートPCでありながら、並のハイエンドゲーミングデスクトップPCを軽く上回るパフォーマンスと、表示品質に優れた高リフレッシュレートの大画面を兼ね備えており、熱設計にも無理が感じられない。高度なパフォーマンスを求めるコアゲーマー、eスポーツプレイヤー向けの製品としては文句ない内容だけに、この価格も理解できる。
先行して発売されたCore i9-13980HX搭載のROG Strix SCAR 18 G834JYに比べると、ビジュアル要素が簡素化されている他、画面のアスペクト比、ストレージ、スピーカ仕様などに違い(SCAR 18は18型で16:10、RAID 0対応の2TBストレージ、クアッドスピーカー内蔵など)があるが、そのぶん少し価格は少し安く設定されている。
Intel派やビジュアル要素が好きな人はROG Strix SCAR 18、高価な中でもコスパにこだわる人、AMD派の人は本機が向くだろう。
なお、同社からはROG Strix SCAR 17の下位シリーズにあたる「ROG Strix G17シリーズ」も同じ17型の画面とRyzen 9 7945HXを搭載するモデルが発売されている。GPUのグレードは下がるぶん、よりリーズナブルな価格(28万9800円〜)で入手できるので、合わせて検討するとよいだろう。
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