IntelとArmは4月12日(米国太平洋時間)、Armアーキテクチャを採用するSoC(System-on-a-Chip)について、チップ設計者が「Intel 18A」プロセスを利用して開発できるようにする複数世代契約を締結したことを発表した。これにより、Armアーキテクチャを使ってSoCを開発するメーカーは、Intelの半導体工場を活用して開発/製造できるようになる。
今回の契約ではまず、モバイルSoC(PCやスマートフォン/タブレットに搭載するSoC)に重点を置き、将来的には車載、IoT(モノのインターネット)、データセンターといった他用途のSoCにも範囲を拡大するとしている。
この取り組みは、Intelが2021年3月に打ち出した「IDM(Integrated Device Manufacturing)2.0」戦略に基づくものである。Intelが保有する半導体工場を、ファブレス半導体メーカーを含む他社に「ファウンドリー(受託半導体製造者)」として使ってもらうことで、半導体の開発/製造にかかるコストを削減しようという意図もある。
同社の半導体工場は、米国やヨーロッパに所在している。地政学的なリスクを軽減しつつ半導体の開発/製造を進められることもメリットだ。
今後、Intel Foundry Services(IFS:Intelのファウンドリー部門)とArmでは、ArmアーキテクチャのCPUコアのIntel 18Aへの最適化を共同で行う予定だという。Intel 18Aは2025年初頭を目標に設計が進められており、今回の取り組みも同時期からの生産を視野に入れていると思われる。
ちなみに、ArmアーキテクチャのCPUコアを使ってSoCを開発しているQualcommは、2024年から生産を開始する予定の「Intel 20A」プロセス(Intel 18Aのベース)について提携している
第13世代Core/Intel Arc/大規模投資でリーダーシップへの復権を目指すインテルの取り組みを鈴木国正社長に聞く
Intelがオハイオ州に最先端の大規模半導体工場を建設へ 200億ドル超を投資
2025年までに「1.8nm相当」に――Intelが半導体生産のロードマップを説明
Intelの半導体生産を支える日本 しかし「デジタル後進国」に?
半導体生産で「委託」「受託」を両にらみ Intelが「IDM 2.0」構想を発表Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.