ASUS JAPANのゲーミングブランド「ROG」から、新しいゲーミングキーボード「ROG Azoth」(アールオージー アゾース)が発売された。テンキーレスの75%英語配列、メカニカルスイッチ、RGBバックライトイルミネーションというゲーミングキーボードらしい基本スペックはしっかりと備えつつ、OLEDディスプレイの搭載、メンテナンスキットの付属と、今までの“常識”を踏み越えた、「Republic of Gamers」らしいマニアックなモデルとなっている。
ROG Azothは、同社の「ASUS AURA」シリーズに属するテンキーレス75%英語配列のキーボードだ。ボディーサイズは約326(幅)×136(奥行き)×40(高さ)mmで、キーボード右上に特徴的な2型OLEDディスプレイとコントロールノブを搭載する一方、Bluetooth 5.1/2.4GHz帯の無線/USB Type-Cの有線と、3つの接続方式に対応した取り回しの良さも兼ね備えている。
パッと見では右上の2型OLEDディスプレイの印象が強いものの、触ってみるとそれ以上に基本スペックの高さ、作りの精巧さに圧倒される。まるで「派手な見た目の努力家」といった印象だ。そして、今までに例を見ないカスタム性とメンテナンス性の高さもまた、本製品の大きな特徴の1つとなっている。
ROG Azothは、キースイッチに「ROG NX赤軸メカニカルスイッチ」を採用する。アクチュエーションポイントは約1.8mmと浅めで高速な入力をサポートすると同時に、初期導入力を40gfに設定して誤操作を防いでいる。リニアなタイプ感でメカニカルスイッチとしては静音性の高い赤軸だが、本製品の入力音は高音が軽快に響き、非常にクリアで繊細だ。
その理由は、ガスケットマウントと三層構成のダンパーという、徹底的なノイズ排除を目指した内部構造にある。
ガスケットマウントは、スイッチを装着するプレートを柔軟性のある素材で挟んでケースに固定するマウント方式だ。ROG Azothではシリコン製のガスケット材を使用しており、震動や衝撃を伝えにくくなっている。
スイッチプレートと基板の間には、ノイズを吸収する約3.5mm厚のシリコンパッドをはさみ、基板の下にはケース内の反響音や空洞の震動を吸収するPORON製ウレタンフォーム、さらにベースケースの上にもう一層、シリコンフォームが敷かれている。もちろん、メカニカルスイッチなので「静か」というわけではなく、「雑味のない音」になっている。
クリアな入力音と同様に、実際のタイプ感も軽くシャープで心地よい。これは75%キーボードでありながら1kg超え(公称で約1186g/実測で1165g)という重量と、耐久性/剛性に優れたアルミニウム合金製のトップカバーによる安定性、ルブ(潤滑剤塗布)による滑らかで均一なタイプ感など、全てに妥協せずに作り込んだ結果だといえるだろう。
機能面でも、100%アンチゴースト&Nキーロールオーバーにより、高速入力でも正確に読み取ることができる。
接続方式はBluetooth 5.1(最大3台まで)、2.4GHz帯の無線、USB Type-Cの3方式に対応する。2.4GHz帯は「ROG SpeedNovaワイヤレステクノロジー」を採用しており、混雑した電波状況でも低遅延/高信頼/低電力を実現している。
特に低電力の効果は大きく、OLEDディスプレイとRGBバックライトを切った状態で最長2000時間の利用が可能だ。
しかし、いざとなればいつでもUSBで有線接続すればよいことを考えると、バッテリーを使い切ったとしても困ることはなさそうだ。また、Fn+TabキーでいつでもPC/Macモードの切り替えができることも、うれしいポイントだろう。
続いて、本製品ならではのユニークな機能を見ていこう。
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