ASUS JAPAN「ROG Azoth」は“自作キーボード”の沼に誘い込む破壊力抜群のメカニカルキーボードだったキミはキーボードのメンテナンス方法を知っているか(3/3 ページ)

» 2023年05月06日 07時00分 公開
[瓜生聖ITmedia]
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メカニカルキーボードには欠かせない便利なメンテナンスキットも付属

 キーボード好きの中でも、自作派を中心とするメカニカルキー愛好家の間で行われているメンテナンスが「ルブ」だ。ルブ(Lube)は潤滑剤もしくは潤滑剤を塗ることを指す言葉で、キーボードの場合はキーキャップやスイッチの取り外し、さらにスイッチを分解した上で1つ1つ、ステム(軸)やステムの接触面などに潤滑剤を塗っていく作業を指す。

 キースイッチの摩擦を軽減することで、滑らかなタイプ感、ストローク時のノイズ軽減、タイプ感の均一化、耐久性の向上などを期待できる。先述のように、本製品には出荷時点でルブ済みとなっているが、自分自身でルブを行いたい、という人のためにルブキットが付属している。

メンテナンスキット パッケージに付属する「DIYスイッチルブキット」など

 ルブの方法については、同社のレクチャー動画に詳細があるが、簡単にいえばスイッチを分解して、接触部分に潤滑剤を塗るという作業になる。

 具体的には、まずキーキャッププラーを使ってキーキャップを取り外す。ROG Azothはホットスワップ対応(ただし、取り外し/交換時は電源オフ推奨)なので、そのままスイッチ本体にアクセスできる。

 次に、スイッチプラーを使ってスイッチを取り外し、スイッチを分解するスイッチオープナー(ROG NX/Cherry MX対応)を使ってスイッチを上下ハウジングと、ステム(軸)に分解する。分解したハウジングはルブステーションに並べておくと作業効率がよい。

 後は、ボトムハウジングとステムに潤滑剤を筆で薄く塗っていくだけだ。ROG Azothには「Krytox GPL-205-GD0」が付属しているが、好みに応じて他の潤滑剤を試してみるとよいだろう。

付属品 左からスイッチオープナー(スイッチを分解する)、キーキャッププラー(キーキャップを取り外す)、スイッチプラー(スイッチを取り外す)。交換用のROG NX赤軸スイッチも付属する
潤滑剤Krytox GPL-205-GD0 潤滑剤のKrytox GPL-205-GD0が付属している。分解したスイッチを並べておくルブステーションもある
ルブの方法については、レクチャー動画を参考にするとよい
潤滑剤 潤滑剤は自作キーボード専門店「遊舎工房」などで取り扱いがある

「沼」に片足を突っ込んでしまった、妥協のないゲーミングキーボード

 自作PCと比較して、自作キーボードはハードルが高い。どこから自作するかにもよるが、やる人はPCBの作成からやるし、ハンダごて必須の自作キットも一般的だ。

 しかし、キーボード自体の機能はPCの歴史的にも劇的な変換点はなく、機能面や性能面の違いもほとんどない。そのため、人をキーボードの自作に走らせるのは「自分のフィーリングにマッチしたキーボードが欲しい」という理由が大きく、その製品に対する評価も個人個人で全く異なるものになるだろう。

 ROG Azothは、そういった自作キーボードの「沼」に片足を突っ込んでしまったキーボードだという印象だ。トライモード対応、100%アンチゴースト&Nキーロールオーバーといったキーボードの本分としての確かさに加え、2型OLEDディスプレイやAura Sync対応RGB LEDなどの派手で目を引く機能――完成品としての至高を極めながらも、ルブキットをセットにして自作キーボードユーザーの世界に一歩足をかけた希有な製品となっているからだ。

 同社直販のASUS Storeでの価格は税込み3万4580円と高めだが、妥協のないユーザーに向けた、妥協のない製品というにふさわしい逸品だろう。

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