本製品はバッテリー駆動のためか、他のSwitchBotカメラとは異なる挙動がちらほらみられる。前述のように24時間365日録画の方法が用意されていないのもその1つだが、それ以外にも、専用アプリでスマホから本製品の映像を見ようとした際に、プレビューの表示がワンテンポ遅れることがよくある。
このことは、他のカメラと映像を並べて見ようとした時に顕著に感じられる。SwitchBotアプリは複数のカメラの映像を並べて表示する機能があり、例えば4台のカメラが登録されていた場合、2×2マスで全4台のカメラの映像をリアルタイム表示できる。
しかし本製品は他のカメラと比べて起動がワンテンポ遅れたり、あるいはタップしなければ映像が見られないといったことが起こる。
これらは挙動がまちまちで再現性がないのだが、他のカメラと比べて本製品の挙動が遅れることだけは一貫している。おそらくバッテリーの消耗につながる挙動はなるべくさせない設計なのだろう。本製品だけを複数台並べて運用するのではなく、他の屋内用カメラと混在させて使うとストレスになるので注意したい。
ところで、本製品はスマートディスプレイから映像を見ることもできるが、他のカメラよりも連続表示できる時間が短い。今回「Echo Show 8」で試したところ、10分を過ぎたところで自動的に切断された。
他のSwitchBotのカメラで同じことをすると1時間弱の連続表示が可能なので、ここもやはりバッテリー駆動ならではの制限が設けられているようだ。ただしこれについては、Google Nest CamやRing Spotlight Cam Plusもやはり10分前後の制限があり、本製品に限った問題というわけではない。
この他で気になった点を、最後にいくつかまとめておく。
実際に本製品を監視カメラとして設置してもっとも困ったのは、動体検知の検出エリアが、長方形でしか指定できないことだ。カメラの視野は常に道路や建物に対して平行になっているわけではなく、斜め方向に範囲指定したい場合もしばしばだ。
そのため、多くのカメラではそれらの範囲を多角形で指定できるようになっており、製品によっては障害物を回り込むような複雑な範囲指定も行える。しかし、本製品の動体検知エリアは長方形の辺を伸び縮みさせることしかできない。全て角が90度を保ったままなので、台形すらも指定できない。
結果的に、必要とされるエリアを含めようとすると全画面を指定するしかないこともしばしばで、バッテリーの余計な消耗につながりがちだ。ソフトウェアで真っ先にアップデートが望まれるのはこの点だろう。
また本製品はスポットライトを搭載しており、動体検知と連動して点灯させられるのだが、その場合は画面設定が「カラー」、ナイトビジョンが「オート」であるなど、かなり細かい条件がつく。
これらの情報は(筆者が探した限りでは)オンラインヘルプにしか見当たらず、分かりづらい印象は否めない。せっかく機能を備えていながら、見せ方の部分でAmazonのRing Spotlight Cam Plusとの差がついてしまっている印象だ。
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