ここがちょっとヘン? ネットワーク対応「SwitchBot 屋外カメラ」を使い続けて分かったこと(後編)山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/4 ページ)

» 2023年05月08日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

動体検知の通知が来てから動画をすばやく再生するには?

 筆者はSwitchBotの他のカメラも使用している他、本製品と並行してRing Spotlight Cam Plusも試しており、それらと比べた場合の挙動の違いについてもまとめておこう。なお実際の試用は玄関先に取り付けて行っているが、以下のスクリーンショットは室内で別途撮影を行っているのでご了承いただきたい。

 アプリを立ち上げてカメラのメイン画面を表示すると、上段にカメラの映像が、下段に動体検知の一覧が並んでいる。多くのネットワークカメラはほぼ同じレイアウトを採用しているので、ユーザーにとってはおなじみの画面だ。

 本製品は、この手のカメラではおなじみの、動体を検知するとアプリもしくはメールで通知する機能を搭載しているが、ネックとなるのは、検知時の静止画をタップしても、動画が再生されるわけではないことだ。

 「Google Nest Cam」やRing Spotlight Cam Plusでは、モーション検知で表示されるサムネイルをタップすると、その前後の動画が再生されるので、被写体がどんな動きをしているか一目瞭然だ。しかし本製品はあくまで1枚モノの静止画であり、タップをしても動画が再生されるわけではない。

 そのため、通知が飛んできたからといって画面タップをしても、被写体がいったい何なのか、どのような動きをしていたのかが判断しづらい。これは大きなハンディだ。ちなみに、これはSwitchBotの他のカメラ製品に共通する仕様となる。

SwitchBot 屋外カメラ スマートスピーカー カメラのメイン画面。上段にカメラの映像が、下段に動体検知の一覧が並ぶおなじみのレイアウトだ(左)。動体検知の画像をタップすると拡大表示となり、動画が再生されるわけではない(中央)。カレンダーから過去の動体検知も呼び出せるが、これもやはり静止画であり、タップすることで動画が再生できるわけではない(右)

 もっとも、動画での記録自体はきちんと行える。方法は2つで、1つは本体にmicroSDカードをセットしてローカルで録画する方法だ。もう1つは有料プランを申し込み、クラウドに録画する方法となる。

 このいずれかを事前に設定しておけば、カメラ画面の下部にある「録画」という画面を開き、「microSDカード映像」または「クラウド映像」を選択して、記録された動画を参照できる。メイン画面に表示されるサムネイルとひも付いていないのは首をひねらざるを得ないが、動画の記録ができないわけではない。

 なおクラウド録画プランの場合、「クラウド映像」ページに並ぶサムネイルをタップすると該当シーンの動画がすぐに呼び出せるので非常に快適だが、microSDはタイムライン上に録画された時間帯が赤帯で表示されるだけで、スクロールしながら手動でタップしないと再生できず、極めて使いづらい。実用性を考えるとクラウドの一択だろう。

SwitchBot 屋外カメラ スマートスピーカー アプリの右下にある「再生」をタップすると、録画データを呼び出すための画面になる。microSDもしくはクラウドから選択する(左)。microSDカード映像は無料で利用できるが、動体検知した時間帯がタイムライン上に赤い帯で表示されるだけで頭出しできない(中央)。クラウド映像は有料だが、サムネイルをタップするだけで該当シーンの動画を呼び出せる(右)
SwitchBot 屋外カメラ スマートスピーカー ローカルストレージの設定。最大256GBのmicroSDカードを利用できる(左)。今回は、最も安価な月498円のクラウドストレージプランを利用した(中央)。クラウドストレージは月払いと年払い、およびカメラの台数ごとにコースが用意され、期限は最大30日のみとなる。また常時録画のコースは見当たらない(右)

 なおSwitchBotの他のカメラでは、microSDへの録画は24時間365日行われる(どれだけの期間データを残せるかは容量に依存する)ので、クラウド録画と違って動体検知で反応しなかった時間帯もチェックできるという差別化ポイントがあったのだが、本製品のmicroSD録画は動体検知の範囲しか記録されない仕様のため、クラウド録画プランを契約していると利用価値がほぼない。

 動体検知は100%信用できるわけではなく、気になることがあれば生データを確認できる24時間365日録画の方法はあるに越したことはない。SwitchBotの通常タイプのカメラはそれをサポートするまれな存在で、他製品との差別要因になっていたのだが、本製品で非対応になっているのは残念だ。

SwitchBot 屋外カメラ スマートスピーカー Switchbotの各カメラ製品ごとのmicroSD録画の挙動の違い。これは3MPのパンチルトタイプの屋内カメラで、24時間365日のデータが録画される(左)。これは画角固定式の屋内カメラで、こちらもやはり24時間365日のデータが録画される(中央)。本製品は動体検知した範囲しか録画されない。24時間365日録画する方法はないようだ(右)

 続いて、試用して気になった部分を見ていこう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  4. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  5. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  8. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー