LIFEBOOK UH-Xシリーズは、軽量ボディーでも処理パフォーマンスには妥協をしないという特徴がある。この点は、最新モデルたるUH-X/H1でも変わらない。
CPUは第13世代Coreプロセッサに属する「Core i7-1355U」(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)だ。従来のUH-Xシリーズと比べてみると、パフォーマンスコア(Pコア)は4基8スレッドから2基4スレッドに“半減”してしまった一方で、新たに加わった8基8スレッドの高効率コア(Eコア)減ったPコア(相当)を補っているという構図だ。
LIFEBOOK UHシリーズ全体を見ると、今回はCore i7-1360P(Pコア4基8スレッド+Eコア8基8スレッド)を搭載する「LIFEBOOK UH90/H1」というモデルも存在する。少し乱暴な言い方をすると、UH90/H1は「Pコアは先代そのままの数で、Eコアが純増している」という設計なので、“絶対性能命”という人はこちらを選べばいい。
ただ、UH90/H1はCPUの冷却機構が大きめで、ファンも2基構成となっている。詳細は後に譲るが、バッテリーの容量も少し大きめなので、重量も50g程度増す。「軽さと性能」の折り合いを付けた結果が、Core i7-1355Uの採用といえる。
UH-Xシリーズといえば、従来モデルは「CPUは強いけど、メモリの容量があと少し多ければ……」という問題もあった。その声を受けてか、UH-X/H1ではメモリの容量を8GBから16GBに倍増した。これなら、多くのアプリが快適に動くだろう。
なお、本モデルの直販限定(CTO)モデルである「LIFEBOOK WU-X/H1」であれば、メインメモリを32GBまで増やすこともできる。購入後のメモリ増設/換装はできないので、メモリの容量を重視する人は、CTOモデルの購入も検討したい。
LIFEBOOK UHシリーズは、ポート類が充実していることも特徴だ。この点は、LIFEBOOK UH-X/H1もご多分に漏れない……のだが、少しだけ変わったポイントもある。
左側面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子×2、USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子(常時給電対応)とイヤフォン/マイクコンボ端子を、右側面にはmicroSDメモリーカードスロット、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子、HDMI出力端子と有線LAN端子(1000BASE-T)を備えている。USB 3.2 Gen 2 Type-C端子は、USB PD(Power Delivery)規格の電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力を兼ねている。
「あれ、どこが変わった?」と思うかもしれないが、SDメモリーカードスロットが通常サイズからmicroサイズに変更された。カメラで撮影した写真や動画をSDメモリーカードから直接取り込んでいるという人は、サイズの違いに注意したい。ただ、アクションカメラやドライブレコーダーなど、microSDメモリーカードを使うデバイスとのデータのやりとりは変換アダプター抜きでできるので、見方によっては利便性が向上するともいえる。
「USB 3.2 Gen 2 Type-C端子はThunderbolt 4(USB4)端子にできなかったのか?」とも考えるが、UH-Xシリーズは代々、軽量化を重視する観点から、実装部品の増えるThunderbolt 3/4端子の搭載を避けている。外付けGPUボックスや超高速ストレージなど、Thunderbolt 3/4規格の周辺機器をつなぎたいという場合は、LIFEBOOK UH90/H1の導入を検討したい。
無線通信は、Wi-Fi 6E(6GHz帯にも対応するIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.1に対応する。Wi-Fiは、都市部だと2.4GHz帯だけでなく5GHz帯も混雑するケースがある。最近はWi-Fi 6E対応ルーターも増えてきているので、合わせて導入すればより快適なWi-Fiを楽しめる。
バッテリーの容量は25Whで、メーカー公称の最長駆動時間は約11時間となっている。付属のACアダプターはUSB Type-C接続で45W出力だ。公称駆動時間は、JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)に準拠した計測値で、実際の利用環境によって前後する。
軽量化を重視したこともあって、バッテリーの容量は少し少なめである。バッテリー駆動時間を重視する場合は、64Whバッテリーを備えるUH90/H1の導入を検討したい。UH90/H1の公称最長駆動時間は約29.5時間だ。
Webカメラは約207万画素で、フルHD(1920×1080ピクセル)撮影に対応する。従来、LIFEBOOK UHシリーズのWebカメラは約92万画素でHD(1280×720ピクセル)撮影対応だったことを考えると、大きな進歩である。もちろん、プライバシーシャッターも備えている。
なお、少しだけ重量は増すが、CTOモデルでは顔認証(赤外線撮影)対応カメラにすることもできる。顔認証を利用したい人は、CTOモデルの導入も検討したい。
キーボードは、日本語配列で特段のクセもなく非常に打ちやすい……のだが、本モデルからかな印字がなくなっている。従来のUHシリーズと比べると、今回のモデルは若年層を意識したデザインに改められている。
キーボードでの文字入力において、現在では「ローマ字入力」が主流となっている。そのことを踏まえて、新しいUHシリーズのキーボードはかな印字を省いている。見た目のシンプルさを高めるためだ。同じ理由で、天板の「インフィニティロゴ」も左下に小さく配置されるようになった。
なお、CTOモデルではかな印字のあるキーボードも選択できる。かな入力派の人は、CTOモデルの購入も検討しよう。
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