ここまで、LIFEBOOK UH-X/H1の主な特徴を紹介してきたが、「実際、パフォーマンスはどうなの?」という点は気になる。そこで、幾つかのベンチマークテストを実行してみることにしたい。
なお、Windows 11の電源設定は全て「バランス」としている。
まず、CPUのパフォーマンスをチェックするために「CINEBENCH R23」を試してみた。このテストでは、AC電源駆動時とバッテリー駆動時でテストを行っている。結果は以下の通りだ。
AC電源駆動時は「これぞ第13世代Coreプロセッサ!」というスコアが出ているが、バッテリー駆動時は若干それが抑制される。とはいえ、Eコアの恩恵もあって、マルチコアスコアはそこそこ良好だ。
PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」は、AC電源駆動時のスコアを計測した。結果は以下の通りである。
パワフルなCPU(とGPU)を備えるゲーミングノートPCと比べるとスコアは低いかもしれないが、モバイルノートPCだと考えると良好である。第11世代Coreプロセッサを搭載するモバイルノートPCと比べて考えると、本当にいい時代になったと痛感する。
3Dグラフィックスのテストを行う「3DMark」では、Time Spy(DirectX 12ベース/2560×1440ピクセル描画)とFire Strike(DirectX 11ベース/1920×1080ピクセル描画)を試した。AC電源駆動時の総合スコアは以下の通りだ。
正直にいうと、筆者が想像していたよりも良いスコアである。やはりゲーミングノートPCと比べると「大したことはない」のかもしれないが、LIFEBOOK UH-X/H1はモバイルノートPC、しかも700gを切る重量である。それでも、これだけの性能が出るのであれば十分過ぎるだろう。
LIFEBOOK UH-X/H1は、PCI Express 4.0接続の512GB SSDを搭載している。レビューした個体には、Micron製の「MTFDKBA512TFK-1BC15ABFA」が搭載されていた。
このSSDを「CrystalDiskMark 8.0.4」でベンチマークテストしてみた結果は以下の通りだ。
先述の通り、LIFEBOOK UH-X/H1のバッテリー駆動時間は公称で最長約11時間となる。実際の所はどうなのか、PCMark 10のバッテリーベンチマークテスト(Modern Office)を試してみることにした。
「炎天下で作業をする」という想定で、このテストではあえて画面輝度を100%(最大)としてテストを行った。残量100%から5%(強制休止)までの駆動時間は4時間25分となった。
バッテリー容量の割にはよく頑張ったともいえる。しかし、大きめのバッテリーを備えるモデルと比べると、絶対的な駆動時間はどうしても少なくなってしまう。ここは「軽量化」とのトレードオフ要素といえる。
初代のLIFEBOOK UH-X/C3から、筆者はずっとLIFEBOOK UH-Xシリーズを見つめてきた。その歴史は、改善の歴史でもある。ボディーの世代が進化すると共に、明らかな欠点が解消されてきた。
そういう意味で、第3世代のボディーを得たLIFEBOOK UH-X/H1は、間違いなく今までで一番欠点の少ないUH-Xである。第2世代のボディーで課題だった「Webカメラ」と「ディスプレイの解像度」を着実にスペックアップしており、それでいて過去モデルの長所は極力引き継いでいるのは、素直にすごいと感じる。
「とにかく軽いことが命!」という場合は、LIFEBOOK UH-X/H1は間違いなく最良の選択肢だろう。単に「軽量化しました!」というモデルとは違って、実用性は犠牲にしていない。
ただ1つだけ、まだ解決できない問題がある。バッテリーだ。バッテリーは本体重量を左右する要素の1つである。そのため、LIFEBOOK UH-Xシリーズでは小容量バッテリーを選択している。容量が小さい分、どうしても駆動時間は少なくなってしまうのだ。
その上で、「バッテリー容量(駆動時間)」あるいは「絶対的なパフォーマンスが欲しい」というのであれば、兄弟機のLIFEBOOK UH90/H1という選択肢もある。実売価格はUH-X/H1と同じく24万円程度で、重量は約858g(ピクトブラックモデルのみ約848g)と、こちらも十分に軽量だ。ただし、OSが「Windows 11 Home」となるので、ビジネス用途で使う場合は注意したい。
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