Intel NUC 13 Proシリーズは、モバイル向けの第13世代Coreプロセッサを搭載している。モデルによって、ベースパワー(基本消費電力)が15Wの「Uシリーズ(開発コード名:Raptor Lake-U15)」または、28Wの「Pシリーズ(開発コード名:Raptor Lake-P)」を備えるが、今回評価するNUC13ANKi7は、Pシリーズの中でも上位である「Core i7-1360P」を採用している。
第13世代Coreプロセッサでは、性能優先の「パフォーマンスコア(Pコア)」と電力効率優先の「高効率コア(Eコア)」を最適に使い分けるハイブリッドアーキテクチャを第12世代(開発コード名:Alder Lake)から継承しつつ、さらなる性能の強化を図っている。
NUC13ANKi7が搭載するCore i7-1360Pは、Pコアが4基8スレッド、Eコアが8基8スレッドという構成で、先代の「Core i7-1260P」からの進化といえば、最大動作クロックの引き上げなど、小幅ではある。ただし、先代もモバイルノートPC向けのCPUとしてはパワフルだったので、それがより力強くなったともいえる。
合計で12コア16スレッドを備えるCPUは、ビジネスはもちろん、ゲーム、写真やビデオの編集といったクリエイティブ用途など、幅広く活躍できるポテンシャルを秘めている。
小型ながらも、接続性も十分に確保されている。
本体前面には2基のUSB 3.2 Gen 2 Standard-A端子(1基は常時給電対応)とイヤフォン/マイクコンボ端子を備え、背面には2基のThunderbolt 4(USB4)端子、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子、USB 2.0 Standard-A端子、有線LAN端子(2.5GBASE-T対応)と2基のHDMI出力端子を備える。コンパクトサイズなのに、これだけのポート類を用意しているのは頼もしい。
通信面は、有線LANの他、先述の通りWi-Fi 6EとBluetoothにも対応する。Bluetoothは最新の「Bluetooth 5.3」に対応するので、今後の機能拡充にも対処可能だ。
NUC 13 Proの各種ドライバーは、IntelのWebサイトで公開されている「Intel Driver & Support Assistant」を使うと簡単にインストールできる。
このアプリは、ドライバーの更新の有無をスキャンし、インストール(更新)可能なドライバーがある場合は一覧表示するWebサイトに誘導する、というシンプルな作りではある。しかし、ドライバーのインストールや更新に掛かる手間を大幅に削減できるので、ありがたい存在だ。
一方で、NUC 13 ProのUEFI(BIOS)のセットアップでは、本体に関する細かい設定も行える。セキュリティ設定はもちろん、電力回りやファン制御も、思った以上にいじれる。
普通に運用するだけなら、特に設定を変えるする必要はないが、PCの自作に慣れ親しんでいる人でも、案外いろいろと楽しめるだろう。
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