Intelが展開する「Intel NUCシリーズ」から、モバイル向け第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)を搭載する最新モデル「Intel NUC 13 Pro(開発コード名:Arena Canyon)」が登場した。
NUC 13 Proには、完成品である「ミニPC」、ベアボーンの「キット」、組み込み用途向けの「ボード」の3タイプが存在する。ミニPCとキットについては、小型で背の低い「スリム」と、背が高く2.5インチストレージを内蔵できる「トール」の2種類の形状から選択可能で、ボードも含めてラインアップは多岐に渡る。
今回、Core i7-1360Pを搭載するスリムボディーのキット製品「NUC13ANKi7」(実売価格10万円前後)を評価する機会を得た。パフォーマンスや放熱など、気になる所を検証していこう。
今回レビューするNUC 13 Proは、先述の通りスリムタイプのボディーを持つ。突起部のぞく具体的なサイズは、約117(幅)×112(奥行き)×37mmで、容積換算すると約0.48Lだ。「おおむね手のひらサイズ」と言っても差し支えないコンパクトさだ。
16GB×2(合計32GB)のSO-DIMMモジュールと512GBのM.2 SSDを搭載した状態での実測重量は534gと、本体の重量も軽めである。
ただし、このサイズなので電源は内蔵していない。120W出力のACアダプターが付属しているので、それを介して電源を得ることになる。このACアダプターのサイズは約68(幅)×137(奥行き)×25(厚さ)mmで、そこそこの存在感を持つ。付属のケーブル込みでの実測重量は約407gだった。
電源を入れると、本体の内側がほんのりと青く光る。フルサイズのキーボードと組み合わせて使うと、本体のコンパクトさがより際立つ。
本体底部の4本のねじを外すと、底部カバーのみが外れて内部へとアクセスできる。内部構造はとてもシンプルで、メモリソケット×2と、ストレージ用M.2ソケット×2へとすぐにアクセスできる。
メモリソケットは、DDR4-3200(PC4-25600)対応のSO-DIMMソケットで、最大で64GB(32GB×2)まで搭載可能だ。
ストレージ用M.2スロットは、PCI Express(NVMe)接続SSD用のType 2280ソケットと、Serial ATA接続SSD用のType 2242ソケットという構成となる。
先述の通り、今回評価するNUC13ANKi7はベアボーンキットなので、本来はメモリモジュールとSSDを別途用意しなければならない。しかし、今回は評価キットということで、Kingston製のDDR4-3200メモリ(16GB×2)と、Samsung Electronics製のNVMe SSD(512GB)が付属していた。
NUC13ANKi7には、SSD用とは別に通信モジュール用のM.2ソケットも用意されている。ここにはIntelのWi-Fi 6E/Bluetoothモジュール「Intel AX211NGW」がプリセットされており、アンテナの配線も済んでいる。
この手の小型PCでは、Wi-Fi/Bluetoothアンテナの取り付けに難儀することが意外と多い。あらかじめセット済みなのは、非常に助かる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.