一通り概要をチェックしてきた所で、 NUC 13 Pro(NUC13ANKi7)の実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回は、UEFIの設定はデフォルトのまま、Windows 11の電源設定は「最適なパフォーマンス」を選択してテストを行った。比較対象として、3月にレビューした「Let's note FV4」、2018年発売の「ThinkPad T480s」のスコアも掲載している。
CPUパワーがストレートに反映される「CINEBENCH R23」のスコアは、マルチコアで12096ポイントだった。比較対象であるLet's note FV4も、Core i7-1360P搭載機としては良好なスコアなのだが、NUC13ANKi7はそれを大きく上回っている。
恐らく、これはキーボードや画面を一体化していない分だけ、ブースト機能のリミッターが高めに設定されていること、放熱設計の自由度が高いこと、最大120W出力のACアダプターを採用していることなど、複数の要素でノートPCにはない大きな余裕を持っていることが影響していると思われる。
あくまでも“デスクトップ”PCであることのメリットをしっかり生かした結果といえるだろう。
「PCMark 10」のスコアも優秀で、Productivity(オフィススイートのテスト)以外はLet's note FV4を上回っている。「FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク」ではLet's note FV4に遅れをとっているが、概ね良好な結果だ。
消費電力も計測してみた。CINEBENCH R23を実行すると、最初の28秒は98W前後、その後は63〜66Wくらいの間で推移した。アイドル時は5W前後で、「Google Chrome」でのYouTube動画(音声あり)を再生すると16W前後といったところだ。
動作音も静粛な部類に入る。手元に設置していてもアイドル時はほぼ無音で、低負荷時は静かな環境なら分かる程度だ。高負荷時でもそれほど大きな音にはならない。
ボディーも気になるような発熱はなく、安心して利用できる。後方に排気するため、後ろのスペースは少し確保しておいた方がよいだろう。
ベンチマークテストの結果からも分かる通り、Intel NUC 13 Pro(NUC13ANKi7)は超小型デスクトップPCとして、とても優秀なパフォーマンスを発揮する。
放熱設計の自由度やバッテリー駆動時間やUSB PD駆動を気にする必要がないデスクトップPCならでのメリットをしっかりと生かし、パフォーマンスのアドバンテージにつなげているのは見事だ。オフィス作業はもちろん、簡易的な写真編集や動画編集なども十分こなせるパワーを持っている。
そして、パフォーマンスだけでなく、高速インターフェイスを豊富に備える接続性、簡単にパーツの着脱ができるメンテナンス性、静音性、放熱性、いずれも申し分ない内容で、完成度の高さが光る。超小型デスクトップPCを検討しているならば、選択肢の筆頭に上がる存在だろう。
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