「ROG Flow Z13 (2023)GZ301」はCore i9-13900H+GeForce RTX 4060 Laptopを搭載した驚きの2in1タブレットだった(5/5 ページ)

» 2023年05月22日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]
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排熱も優秀

 PCMark 10とFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークは、動作モード別のテストも実行した。

 FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークでは、「Turbo」と「パフォーマンス」の差はわずかであった。

 しかし、「サイレント」ではPCMark 10の「Digital Content Creation」(コンテンツ制作)とともにはっきりとした落ち込みが見られた。同じ「サイレント」でも、PCMark 10の日常操作(Essentials)とオフィス作業(Productivity)では、それほど差が生じない。

 PCMark 10の「Digital Content Creation」で、GPUモード「Ultimate」の効果が高いのは興味深いと感じた。

 動作音については、やはりTurboとパフォーマンスでの高負荷時には大きな音がする。ピークの動作音はあまり変わらないが、Turboでは小さな負荷にも敏感に反応し、負荷が収まってもしばらくは大きめの音でファンが回っていた。サイレントであれば高負荷時も含めて静音で運用できる。

 高負荷時には全体に暖かくなるが、ベンチマークテスト中、触れないほど画面裏側が熱くなるということはなかった。また、本体とは別ユニットということもあり、キーボードに不快な熱が伝わってくることもない。

スコア 動作モード別のFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークのスコア(2560×1600ピクセル/最高品質)
スコア比較 PCMark 10の動作モード別スコアの比較。負荷が大きなDigital Content Creationで差が見られる
動作音比較 動作モード別システムの動作音の比較。低負荷時はWeb動画再生程度、高負荷時はFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(2560×1600ピクセル/最高品質)実行時。画面角度45度で設置し、画面の下から20cm(キーボードの一番手前)の位置で測定した
サーモグラフィ FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークの終了直前に、FLIR ONEで計測したサーモグラフィーの画面(室温20.5度)
サーモグラフィ 同じくFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークの終了直前に、FLIR ONEで計測したサーモグラフィーの画面(室温20.5度)

期待に違わぬパフォーマンスを備えた高付加価値ゲーミングギア

 正直なところ、テストする前の段階で、このフォームファクターにCore i9-13900HとGeForce RTX 4060 Laptop GPUを詰め込むのは、さすがにやりすぎではないかと思っていた。放熱制限でイメージほどのパフォーマンスが出せないだろうと懸念していたが、それは杞憂(きゆう)だったようだ。

 強烈に電力効率が良いNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUのポテンシャルを、液体金属グリスやベイパーチャンバーなどぜいたくにコストをかけたROGシリーズならではの放熱設計が見事に引き出しており、単体でも本格派ゲームが快適にプレイできるパフォーマンスを出すことができる。

 今回、評価したのはROG Flow Z13(2023)GZ301シリーズの中でも最上位モデル(GZ301VV-I9R4060)で、ASUS Storeでの販売価格は33万9800円(税込み、以下同様))だ。

 これだけのパフォーマンスを2in1スタイルで持ち運べるだけではなく、外付けGPUユニット「ROG XG Mobile」があればさらなるパワーアップも可能という付加価値もあり、まさに唯一無二の存在である。高価ではあるが、「そうだろうな」と納得するしかない内容だ。CPUやGPUが同じ製品との価格を比較するのは無意味だろう。

 なお、ラインアップにはGeForce RTX 4050 Laptop GPU(グラフィックスメモリは6GB)の中位モデル「GZ301VU-I9R4050」(同32万9800円)、GeForce RTX 2050 Laptop GPU(グラフィックスメモリは4GB)でストレージ容量が512GBの下位モデル「GZ301VF-I9R2050」(同28万9800円)も用意されている。放熱(静音性)とのバランス的には中位モデルも良さそうだが、価格に1万円の差しかないのが悩みどころだ。

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