巻取り式ケーブルをPCのUSBポートに接続すれば、よほど特殊な設定をPC側で行っていない限り、自動的に音声の入出力がSpeak2に切り替わる。プラグ&プレイですぐに使えるのは、スピード命のビジネスパーソンにとってありがたい。
では無線、つまりBluetooth接続ではどうだろうか。少なくとも、Windows PCを使っているのであればSpeak2が搭載しているMicrosoft Swift Pairのおかげで、楽に接続することができる。Speak2の電源を入れた後、Bluetoothボタンを長押しすると「デバイスのBluetooth接続メニューを開いてください」という内容の英語のガイダンスが流れてくる。
後はPCのタスクトレイ付近に表示たれた「新しいBluetoothヘッドセットが見つかりました」「接続」とクリックしていくだけで接続が完了する。
これなら、Bluetooth接続の設定画面を開いて、ペアリング可能なデバイスをリストから選んで……といった手間が不要だ。機器の操作が苦手な人でも、難なく使い始めることができるだろう。
では、本製品の実力はいかほどのものだろうか。試しに自宅の複数の部屋を使い(実際にはキッチンとベランダ)、“ひとりWeb会議”を行った。
主に、オンラインのこちら側と向こう側が同時にしゃべっても会話が成り立つフルデュプレックス機能の性能をチェックした。
Speak2 75を接続したのはMacBook Pro(2020年モデル/2.3 GHz クアッドコア Core i7/macOS Ventura 13.2.1)、Speak2 55を接続したのはGPD Pocket3(Windows 11/第11世代 Core i7-1195G7)で、Web会議システムとしてGoogle Meetを利用した。
なお、Speak2 75とつなげたMacBook Pro側は屋内、Speak2 55と接続したPCは表を通る自動車の音がノイズとして入りやすい屋外に設置した。検証のための録画(Google Meetの機能を使用)はMacBook Pro側で行った。
1人会議を開催するに当たり、前もってスマートフォンに自分の声を録音しておいた。それをSpeak2 75のそばに置き、生身の人間はSpeak2 55で録音を受けながらしゃべるという方法を実施したが、デジタル処理の施されたスマートフォンから流れる音声と肉声では違いがあるからか、シャカシャカという印象の話し声がSpeak2 55から流れてきた。
フルデュプレックス機能を試したいため、構わず話し続ける。また、ノイズキャンセリング機能の実力も知りたかったので、生身の人間(Speak2 55)側で、派手に音を立てながらキーボードを叩くということもしてみた。
その結果、スピーカーから音が流れてきている最中に話しかけても問題なく両者の音を拾うフルデュプレックス機能がきちんと働いていたこと、またスピーカーフォンから20cm程度離れていれば激しくキーボードを叩いても、そのノイズを全く拾わず、相手に不快感を与えなさそうだということが判明した。
これなら、リモートでの参加者に不快な思いをさせずに済むのではないかと感じる結果だった。オンラインで取材を行うときも、洗濯機が発する電子音、ペットが部屋を走り回る音、メモを取るためのタイプ音などをシャットアウトしてくれそうだ。
続いて、スマホでも接続できるとのことだったので、まずはBluetooth接続を試してみた。
Android端末の場合、Speak2シリーズの電源を入れるだけで、ホーム画面に接続を促すウィンドウがポップアップ表示された。無視しても、Bluetoothボタンを長押しすれば、再度ポップアップを表示させることができる。
接続が完了すると、ヒアリング性能を最適化するためのJabraデバイス専用アプリ「Jabra Sound+」をインストールするよう促されるが、記事執筆時点でAndroid向けアプリではSpeak2シリーズをサポートしておらず、iOS向けアプリでもアプリ内でSpeak2を認識しようとするとアプリが落ちてしまった。むしろ、専用アプリなしでも使えるので、「対応デバイスがない!」とイライラするより「完了」を選んでおく方が無難かもしれない。
接続すると、スマホスピーカーのペラペラした薄っぺらいサウンドとは段違いの深みのある音で楽曲を楽しむことができる。デバイスを問わず、高い音質を得られるのは、外付けスピーカーを使うメリットだといえよう。
なお、スマホとの接続はBluetoothのみとのことだったが、OTGに対応したUSB Type-Cポートを搭載するスマートフォン(シャープの「AQUOS R7」)と有線接続してみたところ、入出力の設定を外部に変更するだけで、マイクもスピーカーも「イヤフォンマイク」のように使うことができた。とはいえ、たまたま使える端末だったということもあり得るので、これは各自で試してみてほしい。
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