ここからは、各種ベンチマークアプリを通して、ROG Allyの上位モデルの実力をチェックしていこう。
本モデルが搭載しているRyzen Z1 Extremeは、Zen 4 アーキテクチャのCPUコアを8基16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)と、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを12基搭載している。AMDによると、このGPUコアのピーク性能は8.6TFLOPSとのことだが、このパワフルさをしっかりと引き出せるのだろうか。
なお、今回は特記のない限り、オペレーティングモードを「Turbo(ターボ)」とした上で、ACアダプターを接続した状態でテストを実施している。
まず、3Dレンダリングを用いてCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。結果は以下の通りだ。
筆者は個人的に「Ryzen 5 5600X」を搭載したゲーミングデスクトップPCを持っているが、マルチコアとシングルコア共に、それを上回るスコアを記録している。「5」と「7」の違いこそあるものの、結果が出た際に思わず「マジか」とこぼしてしまったくらいだ。
ゲーミングPC向けのCPUとして、十分な性能を持っていると評価できる。
次に、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみた。ここでは、オペレーティングモードをTurboにした状態でバッテリー駆動して計測した結果と、ROG XG Mobile GC32Lと接続して計測した結果も併載する。
Ally単体での計測結果を見ると、ACアダプターをつなぐとポイントが約1.01〜1.09倍向上している。GPU統合型CPUとしてはかなりスコアは高く、特に軽量環境を想定した「Night Raid」ではバッテリー駆動でも2万6000ポイントを超えている。
これなら、HD解像度(1280×720ピクセル)はもちろん、ゲームによってはフルHD解像度でも快適なプレイを望めそうではある。ただし、リアルタイムレイトレーシングの性能は「おまけ」程度だと思った方が良さそうだ。
そしてROG XG Mobileの効果は絶大である。単体のAC駆動時と比べても、スコアが約1.5〜4.4倍も伸びた。とりわけ、レイトレーシングを含む負荷の高いテストでは効果がよく表れている。
「コンパクトなポータブルゲーミングPCにどこまで求めるか?」という課題はあるが、少なくとも「全部を1台で済ませたい!」と考えている人は、ROG XG Mobileをセットで導入することを前提に予算組みをした方がいいだろう。
中程度の負荷を掛ける、ゲームベースのベンチマークテストアプリとして定番の「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)も試してみよう。
今回はバッテリー駆動/AC駆動/XG Mobile GC32L接続時の3パターンで、フルHD解像度のフルスクリーン表示における「標準品質(デスクトップPC)」「高品質(デスクトップPC)」「最高品質」のスコアと平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りである。
標準品質(デスクトップPC)では、単体のAC駆動時に8015ポイントで「快適」の評価を得られた。しかし、それ以外の単体スコアはどの品質でも「普通」評価となった。ちなみに、解像度をHDに落とすと、最高品質でも7134ポイントの「やや快適」評価となる。
解像度よりも品質を重視する場合は、描画をHD解像度に落とせば高品質かつ快適に遊べそうだ。
負荷が少し重めの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチマーク)も試してみよう。
今回はバッテリー駆動/AC駆動/XG Mobile GC32L接続時の3パターンで、フルHD解像度のフルスクリーン表示における「軽量品質」「標準品質」「高品質」のスコアを計測した。結果は以下の通りだ。
AC電源の有無を問わず、単体の軽量品質は「やや快適」、標準品質は「普通」、高品質は「やや重い」という評価である。このゲームも、解像度をHDに下げることで結構快適に楽しめるようになる。
もっとヘビーなゲームも動くのか、試してみよう。
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